ブルーオリジンの新たな飛躍:超大型ロケット「ニューグレン」
ジェフ・ベゾス氏率いるブルーオリジンは、新型メガロケットの2回目の打ち上げ成功を受け、さらに大型の「ニューグレン」ロケットの設計を発表しました。この超大型バージョンは、歴史的なサターンV型ロケットよりも背が高く、スペースXのスターシップに匹敵する規模を誇ります。
「ニューグレン」9×4と7×2の強化された能力
新型「ニューグレン」9×4は、ブースターに9基、上段に4基のロケットエンジンを搭載し、現在の7×2バージョン(ブースターに7基、上段に2基)と並行して運用される予定です。この追加された推進力により、ロケットの総推力が増加し、低軌道へ70メートルトン以上のペイロードを運搬する能力を持つことになります。これはスターシップの現在の理論上の能力(100メートルトン)にわずかに劣るものの、その差は小さいです。
さらに、より大きなペイロードを搭載できるよう大型フェアリングが採用され、メガコンステレーションの構築、月および深宇宙探査、そしてゴールデンドームのような国家安全保障上の要請に対応するための重要な手段となります。
既存の7×2バージョンにも改良が加えられ、推力が増強されたほか、再利用可能なフェアリングが導入され、打ち上げ間の所要時間短縮にも貢献します。
国家安全保障と宇宙開発の未来
ブルーオリジンが「国家安全保障上の要請」に明確に言及している点は、この新型ロケットが単なる商業宇宙開発に留まらず、国防における戦略的資産としての可能性を秘めていることを示唆しています。特に「ゴールデンドーム」のようなプロジェクトへの言及は、宇宙空間での軍事・情報活動の重要性が高まる中で、このような超大型ロケットが果たす役割が拡大していることを浮き彫りにします。
現在、ブルーオリジンはNASAの月探査ミッションでスペースXと競合しており、公開されたレンダリングでは月が強調されていることから、月面ミッションへの強い意欲が伺えます。
今後の展望
次の打ち上げは2026年初頭に予定されており、CEOのデイブ・リンプ氏によれば、無人月着陸船「ブルームーン・マーク1」の月面着陸を試みる可能性も示唆されています。これらの進展は、宇宙探査と国家安全保障の両面において、ブルーオリジンが今後数年間で主要な役割を果たすことを示しています。
