はじめに:YouTubeのメッセージ機能再導入
2019年に廃止されたYouTubeのアプリ内プライベートメッセージング機能が、この度、一部のユーザーを対象に再導入に向けたテストを開始しました。かつては利用が低迷し、未成年ユーザーへの懸念も囁かれたこの機能ですが、今回は安全性への配慮がより強く打ち出されています。
新機能の詳細とテスト状況
今回のテストでは、ユーザーはYouTubeのモバイルアプリ内で直接動画(長尺動画、Shorts、ライブストリームを含む)を共有できるようになります。共有ボタンをタップすることで全画面チャットが開き、プライベートな1対1の会話やグループチャットを開始できます。チャット相手は、自身の動画、テキスト、または絵文字で返信することが可能です。
この機能は現在、アイルランドとポーランドの18歳以上のユーザーに限定して提供されており、多くのユーザーから「トップリクエスト機能」として望まれていたとYouTubeは説明しています。
安全性とプライバシーへの新たな取り組み
再導入にあたり、YouTubeはユーザーの安全を確保するための複数の対策を講じています。特筆すべきは、テストが18歳以上のユーザーに厳しく制限されている点です。これは、以前の機能が未成年者の間で不適切なコンテンツや捕食的な行動につながる可能性が指摘された背景を踏まえたものと見られます。
導入される主な安全機能は以下の通りです:
- チャットを開始する前に、ユーザーが相互に招待を送信する必要がある「招待制」
- メッセージの送信取り消し機能
- 他のユーザーをブロックする機能
- 不適切な会話を報告する機能
また、メッセージの内容は、プラットフォーム上の動画やコメントに適用されるYouTubeのコミュニティガイドラインに基づいてレビューされることが明記されており、これにより不適切なコンテンツの拡散を防ぐ狙いがあります。
背景と今後の展望
以前のメッセージ機能が廃止された際、その理由は明確に説明されませんでしたが、利用率の低さや、特に若年層のユーザーに対する懸念が主な要因として推測されていました。今回の年齢制限は、過去の懸念への明確な対応であり、もし機能が広範囲に展開される場合でも、同様の制限が維持される可能性があります。
YouTubeがアプリ内メッセージングの再導入を通じて、ユーザー体験の向上と同時に、どのようにプラットフォームの安全性を確保していくか、今後の動向が注目されます。
元記事: https://techcrunch.com/2025/11/20/youtube-tests-an-in-app-private-messaging-feature-again/
