新AI画像生成アプリ「Mixup」発表、ユーザーの肖像権管理とコンテンツ安全対策が焦点に

新感覚AI画像生成アプリ「Mixup」がローンチ

元Googleのエンジニアチームが立ち上げたThings, Inc.は、写真、テキスト、落書きからAI画像を生成する新しいアプリ「Mixup」を発表しました。このiOS専用アプリは、従来のAI画像生成ツールとは異なり、「レシピ」と呼ばれるMad Libs形式の穴埋めプロンプトを活用することで、ユーザーが簡単にクリエイティブなAIアートを作成できるのが特徴です。

「レシピ」形式でクリエイティブな表現を促進

Mixupの核となるのは、ユーザーが生成したプロンプトを「レシピ」として共有できる機能です。これにより、ユーザーはゼロからアイデアを考える必要がなく、他の成功したレシピを参考にしたり、自分の写真やテキスト、簡単なスケッチを使ってアレンジしたりすることが可能になります。例えば、落書きをルネッサンス絵画に変換したり、ペットをハロウィンの仮装姿にしたりと、多様な表現が手軽に楽しめます。

Googleの「Nano Banana」とOpenAI技術を活用

このアプリはGoogleの「Nano Banana」を基盤技術としており、特に「ユーザーの画像を不気味ではない説得力のある方法で維持できる」点が評価されています。さらに、コンテンツのモデレーションにはOpenAIの技術も導入されており、Googleモデルに組み込まれた制限と合わせて、性的なコンテンツや暴力的なコンテンツの生成を制限するための安全対策が講じられています。

注目すべき「Mixables」機能とプライバシーへの配慮

Mixupの特筆すべき機能の一つに「Mixables(ミキサブル)」があります。これは、ユーザーが自分の写真をアップロードすることで、そのユーザーをフォローしている他の人がその肖像を使ってAI画像を生成できるようになるというものです。開発側はこれを友人同士での面白い活用を想定していますが、ユーザー自身の顔がAI画像に利用される可能性があるため、プライバシー管理が重要なポイントとなります。アプリ側は、写真のアップロードやフォロー設定を通じて、ユーザーが自身の肖像権がどのように使われるかについて意識的な選択を促しています。自身の画像が共有されることを望まない場合は、画像をアップロードしないか、誰もフォローしないように推奨されています。

コンテンツの安全性を確保するモデレーション

Mixupは、AI画像生成における懸念事項であるコンテンツの安全対策にも力を入れています。前述の通り、OpenAIの技術とGoogleのモデルに組み込まれた厳格な制御の両方を活用し、不適切なコンテンツの生成を未然に防ぐためのモデレーション体制を構築しています。これにより、プラットフォーム上での健全なコンテンツ流通を目指しています。

利用方法と今後の展望

  • 現在のところ、MixupはiOS 18以降に対応し、iOS 26に最適化されたiOSアプリとして提供されます。
  • アプリはクレジット制で、無料ユーザーには100クレジットが付与され、その後は月額制のサブスクリプションで追加クレジットを購入できます。
  • 2025年11月20日深夜に全世界のApp Storeでローンチされますが、利用には招待制が採用されています。
  • 将来的には、ウェブ版やAndroid版のリリースも検討されています。

元記事: https://techcrunch.com/2025/11/20/mixup-is-a-new-mad-libs-style-app-for-creating-ai-images-from-photos-text-and-doodles/