予測市場Kalshiが110億ドル評価で10億ドルを調達、規制の動向に注目

予測市場Kalshiが巨額の資金調達を実施

未来の出来事について予測を立てることを可能にする予測市場Kalshiが、10億ドルの大規模な資金調達ラウンドを完了し、その評価額は110億ドルに急上昇しました。この資金調達は、前回の3億ドルの調達からわずか2ヶ月足らずで行われたもので、同社の急速な成長を示しています。今回のラウンドは、既存投資家であるSequoiaとCapitalGが主導し、Andreessen Horowitz、Paradigm、Anthos Capital、Neoといった著名な投資家も参加しています。

競合Polymarketとの激しい競争

Kalshiの主要な競合であるPolymarketもまた、市場での存在感を強めています。Polymarketは先日、10億ドルの資金調達を完了したばかりで、その後の交渉では120億ドルから150億ドルの評価額での追加調達が報じられています。両社は、特に昨年、米大統領選挙の予測市場で人気を博し、ニューヨーク市長選挙の予測を正確に的中させたことで注目を集めました。

急成長の背景とプラットフォームの多様性

Kalshiは、ユーザーが多岐にわたるイベントに賭けることを可能にしています。例えば、「Time誌の2025年パーソン・オブ・ザ・イヤーは誰か」「映画『Wicked』のRotten Tomatoesスコア」といったエンターテイメント関連から、次期米大統領選挙の勝者といった政治関連まで、幅広い予測市場を提供しています。同社のプラットフォームは急速に成長しており、年間取引高は500億ドルに達し、前年の3億ドルから1,000倍以上の驚異的な増加を記録しています。Kalshiは、マサチューセッツ工科大学でコンピュータサイエンスと数学を学んだ元ヘッジファンドトレーダー、Tarek MansourとLauna Laraによって共同設立されました。

予測市場の法的・規制上の課題

予測市場は、その性質上、金融商品と伝統的なギャンブルの間の「グレーゾーン」で運営されるため、歴史的に物議を醸し、法的課題に直面してきました。Kalshiは昨年、商品先物取引委員会(CFTC)に対する訴訟に勝利し、米国内でのプラットフォーム利用の権利を確保しましたが、現在は多くの州規制当局との間で、その活動が違法なギャンブルに該当するかどうかを巡る法的な係争が続いています。これは、これらのプラットフォームが直面する規制コンプライアンスの複雑さを浮き彫りにしています。

一方、Polymarketは2022年以降、CFTCとの和解により米国居住者へのサービス提供を禁止されていましたが、今年7月にデリバティブ取引所と清算機関を買収。これにより、米国市場への再参入の権利を獲得し、9月にはCEOのShayne Coplan氏がCFTCから米国での営業許可を得たことをX(旧Twitter)で発表しました。

予測市場の事業モデルは革新的であるものの、このような不確実な規制環境は、その運営と成長における主要なリスク要因となっています。今後の法的判断が、これらの企業の事業継続性および市場全体の健全性に大きな影響を与えることは確実です。


元記事: https://techcrunch.com/2025/11/20/source-kalshis-valuation-jumps-to-11b-after-raising-massive-1b-round/