Xの新機能「このアカウントについて」が混乱を引き起こす

概要:混乱を招いたXの新機能展開

X(旧Twitter)が最近ロールアウトした新機能「このアカウントについて」が、プラットフォーム上で大きな混乱とユーザーからの批判を招いています。この機能は、アカウントが作成された国と「拠点」としている国(接続元とは異なる)を表示するものでしたが、そのデータは深刻な不正確さを露呈しました。

不正確な情報が浮き彫りに

Xのプロダクト責任者であるニキータ・ビア氏は、この機能には「まだいくつかの粗削りな部分がある」と迅速に認めました。しかし、ユーザーからの不満が相次ぎ、特に古いアカウントではデータが「100パーセント正確ではない」という理由から、アカウント作成国に関する情報は削除される事態となりました。

ユーザーの反応と悪影響

ユーザーの反応は、もちろん冷静なものではありませんでした。多くのユーザーはデータの不正確さを認識することなく、自分たちが意見の合わないアカウントを「外国の工作員」であるとして政治的な攻撃に利用しました。自身のプロフィールに表示された情報が不正確であると不満を述べたユーザーでさえ、その後は政治的対立者を「外国の心理作戦」の実行者であると悪意を持って投稿する傾向が見られました。

データ不正確さの背景にある可能性

データの不正確さにはいくつかの原因が考えられます。移動の多いユーザーや、世界中にスタッフが分散している組織のアカウントは、一時的に実際とは異なる国を拠点としていると表示される可能性があります。また、VPNの使用や古いIPアドレス情報が影響している可能性も指摘されています。実際、いくつかの著名なアカウントには以下のような誤った情報が表示されました:

  • Hank Green氏のアカウント:日本に拠点を置いていると表示。
  • MusicTech(英国NMEの姉妹出版物):米国に拠点を置いていると表示。
  • AVID(マサチューセッツ州に拠点を置くProToolsメーカー):スペインに拠点を置いていると表示。

政治的動機と収益化の側面

この混乱には、多少の真実も含まれている可能性があります。一部の政治的な「ヘイト」アカウントが米国外に拠点を置いていることや、トロールファームがアメリカの政治に外国の影響力を行使しようとキャンペーンを行ってきたことは、以前から知られています。しかし、同時にこれはXの収益化モデルとも密接に関連しています。Xの収益はエンゲージメントに大きく依存しており、政治的な煽りが人々の関心を引きつけ、エンゲージメントを高めるという側面も無視できません。


元記事: https://www.theverge.com/news/827279/xs-messy-about-this-account-rollout-has-caused-utter-chaos