ロンドン市議会にサイバー攻撃、IT・電話回線に影響
2025年11月24日月曜日、ロンドンの一部の市議会がサイバー攻撃の標的となり、その影響でITシステムと電話回線に広範囲な障害が発生しています。攻撃の被害を受けたのは、ケンジントン&チェルシー王室特別区(RBKC)、ウェストミンスター市議会、ハマースミス・アンド・フルハム市議会が確認されており、市民サービスに深刻な影響が出ています。
攻撃の経緯と影響の拡大
問題が最初に公になったのは月曜日の午後1時頃、RBKCがソーシャルメディアプラットフォームX(旧Twitter)で「システム問題」が発生し、オンラインサービスに影響が出ると発表したことです。火曜日の朝には、RBKCはこの問題を「深刻なIT問題」と位置付け、サービスの中断が続くと説明しました。
ウェストミンスター市議会も同日、ITシステムの不具合を認め、内部メモではサイバー事件への直接的な対応としてシステムがシャットダウンされたことが職員に伝えられました。ハックニー市議会も、緊急会議と「重要かつ差し迫った脅威」を警告する通信により、複数 のロンドン市議会が過去24〜48時間以内に標的になったことが明らかになり、内部サイバー脅威レベルを「危機的(Critical)」に引き上げました。ハマースミス・アンド・フルハム市議会も「深刻なサイバーセキュリティインシデント」に関するメモを職員に送りましたが、現時点ではシステムが侵害された証拠はないとしています。
当局の対応と調査状況
この事件は、国のセキュリティ機関や法執行機関の注目を即座に集めています。RBKCは情報コミッショナーオフィス(ICO)に通知し、英国の情報機関GCHQの一部門である国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)と緊密に連携していることを確認しました。市議会のサイバーセキュリティチームは月曜日の夜を通して保護対策を実施し、重要な公共サービスを維持するべく活動しました。
RBKCの広報担当者は、「現時点では、誰が、なぜこれを行ったのかを判断するのは時期尚早ですが、データが侵害されたかどうかを調査しています。これは標準的な対応です。当社のITチームは昨日徹夜で作業し、多くの効果的な緩和策が講じられました」と述べました。NCSCも関与を認め、「ロンドンの一部の地方自治体サービスに影響を与えているインシデントを認識しており、潜在的な影響を理解するために作業しています」と表明しています。
警視庁もこの状況を認識しており、月曜日にサイバー攻撃の疑いに関してAction Fraudから照会を受けたことを確認しました。警視庁のサイバー犯罪ユニットが捜査を開始していますが、捜査は初期段階であり、逮捕者は出ていません。
住民への影響と今後の見通し
影響を受けた各区の住民は、調査と復旧作業が続く間、オンラインサービス、電話回線、市議会業務において引き続き中断を経験する可能性があります。RBKCの広報担当者は、不便をおかけしていることを住民に謝罪し、市議会の応答とサービスに遅延が生じる可能性を警告しました。市議会は、サイバー専門家やNCSCとの協力を継続し、可能な限り迅速にシステム機能の完全な回復を目指すと誓約しています。
元記事: https://gbhackers.com/london-councils-hit-by-cyberattack/
