カリフォルニア州が自動運転トラックの公道走行規制緩和案を発表
カリフォルニア州規制当局は、公道での自動運転トラックのテストおよび展開を許可する改正規則を発表しました。カリフォルニア州車両管理局(DMV)が提示したこの改正案には、12月18日までの15日間のパブリックコメント期間が設けられています。現在、同州では10,000ポンド(約4.5トン)を超える車両の自動運転テストは禁止されており、今回の改正が承認されれば、州内の交通事情に大きな変化をもたらす可能性があります。
規制緩和案の主な内容
DMVが公開した最終改正案は、いくつかの分野を対象としていますが、特に自動運転トラックに関する項目が注目されています。改正案の主なポイントは以下の通りです。
- 段階的な許可プロセス: ロボタクシーなどの小型自動運転車に適用されている既存の規制と同様に、段階的な許可プロセスが導入されます。これには、まず人間による安全オペレーター同乗でのテスト許可が含まれます。
- 厳格なテスト要件: ドライバーレスでのテストや展開の許可を得るためには、製造業者は最低50万マイルの自動テスト走行を完了する必要があり、そのうち10万マイルはカリフォルニア州内の指定された運行設計領域で行われる必要があります。
- 法執行機関の権限: 法執行機関が自動運転車両に対し交通違反切符を発行できる権限を付与する文言が含まれています。
- データ報告と緊急対応計画: テストおよび展開中のデータ報告の頻度と種類が拡大され、緊急対応要員との連携計画をより定期的に更新することが義務付けられます。
業界からの期待と労働組合の強い反発
この提案は、州内に拠点を置きながらテキサス州など他の州で自動運転トラックのテストを行ってきたAurora InnovationやKodiak AIといった自動運転技術開発企業から熱烈な歓迎を受けています。Kodiak AIの対外担当副社長であるダニエル・ゴフ氏は、「DMVの最新の規制案は、州内でのドライバーレス・トラックの規制枠組みの構築に向けた真の進展を示しており、2026年にはカリフォルニアの高速道路に自動運転トラックを導入し、道路の安全性を高め、経済を成長させるための重要な一歩となるでしょう」と述べています。
一方、トラック運転手の雇用保護を訴えるTeamsters Unionは、この規制緩和案に強く反発しています。Teamsters Californiaの立法ディレクターであるシェーン・ガスマン氏は、「我々の立場は変わらない。この技術の公道での展開とテストには反対だ」と述べ、改正案が彼らの見解を変えるものではないと強調しました。同組合は、大型自動運転トラックに人間による安全オペレーターの同乗を義務付ける法案「AB 33」の可決を目指し、ロビー活動を続けています。
今後の展望
カリフォルニア州は、自動運転技術開発の中心地であり、今回の規制緩和が実現すれば、自動運転トラック産業に大きな弾みをつけることになります。しかし、労働組合の根強い反対がある中で、パブリックコメント期間終了後のDMVの最終決定が注目されます。自動運転技術の進展と、それに伴う社会的影響、特に雇用への影響を巡る議論は、今後さらに活発化すると予想されます。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/04/californias-ban-on-self-driving-trucks-could-soon-be-over/
