自動運転車の普及が加速
自動運転技術の導入が急速に進んでいます。Waymoは、フィラデルフィアでの自動運転車(セーフティモニター同乗)の試験運用を開始し、ボルチモア、セントルイス、ピッツバーグでは手動運転によるデータ収集を進めています。また、UberとAvrideはダラスでロボタクシーサービスを開始し、カリフォルニア州車両管理局(DMV)は、州内の公道で自動運転トラックのテストおよび配備を許可する規則の改正を発表しました。
Waymoに再び批判の声
しかし、技術の普及と並行して、課題と批判も顕在化しています。米国家道路交通安全局(NHTSA)は、オースティン学区からの報告を受け、Waymoの自動運転システムに対し情報提供を求めました。報告によると、Waymoのロボタクシーは今年、スクールバスを19回も違法に追い越したとされています。
さらに、10月27日にWaymoのロボタクシーが猫の「KitKat」を轢いてしまった事件では、新たな監視カメラ映像が波紋を呼んでいます。映像には、車両が突然動き出す前に、女性が猫を安全な場所へ誘い出そうと屈む姿が捉えられており、Waymoへの批判がさらにエスカレートする可能性があります。
Lucid Motorsの人事異動と業界の新たな動き
自動車業界では、Lucid Motorsで大きな動きがありました。元CEO兼CTOのピーター・ローリンソン氏やチーフデザイナーのエリック・バッハ氏を含む複数のトップ幹部が退任し、さらにソフトウェアおよび電気チームの複数の上級管理職が解雇されたとの情報も入っています。
注目のビジネスディール
- 電動航空機メーカーのBeta Technologiesは、Eve Air Mobilityとの間で10億ドル規模の電動プッシャーモーター供給契約を締結しました。
- 自動運転車向け「交通管制」システムを開発するAutolaneは、740万ドルを調達。
- 自動車フリート管理会社のElement Fleet Managementは、コネクテッド車両決済企業Car IQを8000万ドルで買収。
- 中国の電動推進システム開発企業ExploMarは、シリーズAラウンドで1000万ドルを調達。
- 水素動力ドローンを開発するHeven AeroTechは、シリーズBラウンドで1億ドルを調達し、評価額は10億ドル超となりました。
- 英国の自動運転スタートアップWayveは、AIモデルのデータ分析を手がけるドイツのQuality Matchを買収しました。
その他の注目すべき動向
モビリティとITの分野では、他にも以下のニュースが注目を集めました。
- Amazonは、USPSとの長期契約を終了し、独自の全国配送ネットワークを構築することを検討中。
- Teslaの最新FSD (Supervised) ドライバー支援ソフトウェアは、多くの州で違法であるにもかかわらず、運転中のテキストメッセージ送信機能を搭載。
- 人気ゲーム「Grand Theft Auto Online」に、騒乱を巻き起こすことを目的とした架空のロボタクシー「KnoWay」が登場。
- Nvidiaは、自動運転研究向けのオープンな推論視覚言語モデル「Alpamayo-R1」を発表。
- トランプ政権は、自動車および小型トラックの燃費基準を緩和する方針で、2031年モデルのフリート全体の燃費基準を34.5mpgに引き下げる提案がされました(現行のバイデン政権下では50.4mpg)。
TechCrunch Mobilityの読者アンケートでは、ロボタクシーの普及が「ティッピングポイント」に達する時期について、「今世紀末まで」と回答した人が47.2%で最も多く、次いで「2030年代」となりました。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/07/the-accelerator-is-on-the-floor-for-autonomous-vehicles/
