ヒートポンプスタートアップQuilt、シリーズBで2000万ドル調達 — ソフトウェアとデザインで市場を革新

ヒートポンプスタートアップQuilt、シリーズBで2000万ドル調達

カリフォルニア州レッドウッドシティに拠点を置くヒートポンプスタートアップ、QuiltがシリーズBラウンドで2000万ドル(約29億円)の資金調達を完了しました。この新たな資金調達ラウンドは、Energy Impact PartnerとGalvanizeが主導し、Alumni Ventures、Gradient Ventures、Incite Ventures、Lowercarbon Capitalも参加しています。これにより、Quiltの累計調達額は以前に発表されたシリーズAの3300万ドル(約48億円)と合わせて、合計5300万ドル(約77億円)に達しました。

また、GalvanizeからVeery Maxwell氏、そして元NestのCFOであるTom vonReichbauer氏が取締役に就任し、経営体制を強化しました。

成長と市場への挑戦

Quiltは、既存のヒートポンプ市場の有力企業に挑戦する数少ないスタートアップとして注目を集めています。共同創業者兼CEOのポール・ランバート氏は、調達した資金が同社の事業拡大に充てられることを明らかにしました。現在、Quiltは米国の16州およびカナダの5つの州で、約1,000台のヒートポンプユニットを設置しており、その存在感を着実に高めています。

ソフトウェアとデザイン主導のアプローチ

同社の成功の鍵は、そのソフトウェアとデザインを最優先するアプローチにあります。Quiltのヒートポンプは、単なる暖房・冷房機器に留まらず、洗練されたデザインとスマートな機能が特徴です。顕著な例として、同社は既に設置済みのヒートポンプに対し、無線(OTA)アップデートを実施し、既存ユニットの性能を20%以上向上させることに成功しました。これは、ハードウェア販売後もソフトウェアによって価値を高め続ける、まさにIT企業のような戦略です。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/08/heat-pump-startup-quilt-raises-20m-series-b-to-expand-sales/