Fairphoneが修理可能性を追求したヘッドホン「Fairbuds XL」を刷新:音質向上と持続可能なデザイン

概要:修理可能を追求した新しいFairbuds XL

Fairphoneは、その代名詞ともいえる修理可能性と持続可能性を重視したオーバーイヤー型ヘッドホン「Fairbuds XL」を刷新しました。特にフォレストグリーンモデルは、他社製品とは一線を画す洗練されたデザインで注目を集めています。価格は229ドルで、Nothing Headphones (1)やSonyの旧世代WH-1000XM5など、市場の主要製品と競合します。

デザインと機能の進化

「Fairbuds XL」の最大の特長は、ユーザー自身でバッテリー、クッション、スピーカーカバー、ヘッドバンド、ドライバーなどの主要部品を簡単に交換できる点です。ギターピックや基本的なドライバーだけで分解が可能で、公式YouTubeチャンネルでは詳細な修理チュートリアルも提供されています。

今回のリフレッシュでは、デザインに微細な変更が加えられたほか、ドライバーの性能が向上しました。40mmのドライバーサイズは維持しつつ、より強力なマグネットを採用することで低音域の強化が図られています。しかし、全体のサウンドシグネチャは中立的で、中低音域が強化された中でもボーカルやシンセサイザーの音がクリアに聞こえるよう調整されています。

その他のデザイン変更点として、スピーカー間のケーブルとジョイスティックの色がオレンジからグリーンに変更され、快適性を高めるためのメッシュ素材のイヤーパッドが新たに採用されました。これにより、長時間の着用でも蒸れにくく、快適性が向上しています。操作性においては、再生/一時停止、音量調整、トラック切り替え、ノイズキャンセリングモードの変更が可能な触覚ボタンとジョイスティックが引き続き搭載されています。

修理可能性と持続可能性へのコミットメント

FairphoneのCTO、チャンドラー・ハットン氏は、製品のリリースサイクルと後方互換性に関する同社の意識的な選択について語りました。彼女は「製品を市場から押し出すために新しいものを導入する必要はなく、これは計画的陳腐化と呼ばれるサイクルを生み出す」と述べ、持続可能性と長寿命製品を提供するという企業の強い意志を強調しています。

同社は、ヘッドホンの製造に公平に採掘されたリサイクル素材を使用していることにも言及しています。また、パッケージングの無駄を削減するため、製品の箱にはヘッドホン本体、シンプルな保護ポーチ、クイックスタートガイドのみが含まれており、環境への配慮が徹底されています。

パフォーマンスと米国市場への展開

Fairbuds XLは、非常に強力なアクティブノイズキャンセリング機能を備えています。AirPodsのような最高峰レベルではないものの、日々の使用において十分な遮音効果を発揮します。

バッテリー駆動時間は最大30時間ですが、アクティブノイズキャンセリング機能をオンにした場合は短くなります。一方で、ヘッドホンジャックが非搭載でUSB-C接続のみとなっている点は、一部のユーザーにとっては不便に感じるかもしれません(USB-C to 3.5mmアダプターは別途購入可能)。

Fairphoneは過去2年間で幹部の交代を経験し、新経営陣はガジェットを大規模に生産・販売できることを証明することを目指しています。米国市場への拡大はその計画の重要な一環であり、Fairbuds XLは同社にとって米国で本格的にリリースされる最初の製品の一つとなります。交換部品のサポートと3年間の保証も提供され、消費者はFairphoneの公式サイトのほか、今月末にはAmazonでも購入可能となる予定です。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/09/fairphone-refreshes-its-good-looking-repairable-headphones/