Hinge元CEO、新AI出会い系アプリ「Overtone」を発表
出会い系アプリ「Hinge」のCEOであるジャスティン・マクラウド氏が、自身の役割を辞任し、新たなAI出会い系プロダクト「Overtone」を立ち上げることを発表しました。Hinge、Tinder、OkCupidなどを傘下に持つ大手出会い系企業Match Groupは、Overtoneにプレシード資金を提供し、「実質的な所有権」を取得する予定です。OvertoneはMatch Groupの支援の下、Hinge内でプロジェクトとして育成されました。
マクラウド氏と専門チームは1年間をかけてOvertoneのアイデアを開発。このアプリは、「AIと音声ツールを活用し、人々がより思慮深くパーソナルな方法で繋がることを目的とした初期段階の出会い系サービス」と説明されています。
出会い系アプリ市場におけるAIの台頭
出会い系アプリの創設者が新たなAI体験へと進出するのはマクラウド氏だけではありません。Bumbleの創設者であるホイットニー・ウルフ・ハード氏も、AIを駆使して「世界で最も賢く、感情的にインテリジェントなマッチメーカー」を生み出すことに意欲を示しています。
既存の出会い系アプリも、オンラインデートに対する市場の倦怠感、特にZ世代の間で高まる不満を解消するため、AI機能の導入を加速させています。Tinderは有料会員数が9四半期連続で減少しており、ユーザーのマッチング数を増やすためのAI機能に注力しています。Hingeも今週、AI機能「Convo Starters」をリリースし、ユーザーがより興味深い会話を始められるよう支援しています。TinderやFacebook Datingは、「スワイプ疲れ」に対抗するため、AIを活用したマッチング機能を試してきました。
しかし、TechCrunchはTinderの「Chemistry」機能(ユーザーのカメラロールへのアクセスを許可する)について、「ハイテク企業にさらに多くのデータへの無制限なアクセスを与えるべきではない」と警告しており、データプライバシーに関する懸念も提起されています。
Hingeの新たなリーダーシップと将来の展望
マクラウド氏は来年3月までHingeの顧問として留まりますが、後任CEOにはジャッキー・ジャントス氏(Hingeの社長兼最高マーケティング責任者)が就任します。Hingeは2027年までに売上高10億ドルを達成する見込みであり、その成長は目覚ましいものがあります。
ジャントス氏は、オンラインでの出会いに幻滅を感じているZ世代の市場に対応するため、「文化、創造性、そして現代の人々の繋がり方への深い理解に基づいた意図的なイノベーション」に焦点を当てると述べています。Hingeが3月にリリースしたAIレコメンデーション機能は、今年第1四半期にマッチング数とコンタクト交換数を15%増加させており、今後もAIへの投資を継続する姿勢を示しています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/09/hinge-ceo-steps-down-to-launch-overtone-an-ai-dating-app/
