AI検索への懐疑と期待
最近、あらゆるアプリにAIチャットボットが搭載される風潮に対し、多くの人々が懐疑的です。しかし、筆者はRedfinのAI検索という意外な場所で、その真価を見出しました。通常、保険の更新や荷物の追跡などでAIに煩わされることを嫌う筆者ですが、不動産検索においてはAIが「かなり素晴らしい」ツールだと述べています。
「不動産見物人」にとってのAI
筆者は、実際に家を探しているわけではなく、単に間取りや場所、スタイルを想像しながら不動産情報を眺める「Redfin見物人」であり、「Zillow熱狂者」であることを明かしています。このような「窓越しショッピング」の趣味を持つ筆者にとって、RedfinのAI検索はまさに新しい扉を開くものでした。
Redfin AI検索の機能と利点
このAI検索機能は、デスクトップまたはモバイルブラウザで利用可能で、まだモバイルアプリには導入されていません。自然言語を使って希望条件を入力するだけで、AIがそれに合致する物件をリストアップしてくれます。
- 自然言語処理の強み: 「トロピカルなテーマ」を意図して「ティキバー」と検索した場合でも、AIは関連性の高い物件を提示します。これにより、キーワードの微調整に時間を費やす必要がなくなります。
- 効率的な条件設定: 従来のフィルター機能では手間がかかっていた複数の条件(例:シアトルエリアで2ベッド、1.5バスルーム、公共交通機関に近い、ウォーカブルな近隣、50万ドル以下の一戸建て)も、AIなら一度に処理できます。
ただし、AIにはいくつかのガードレールも存在します。例えば、「お化け屋敷」や「ピーウィーのプレイハウスのような家」といった非現実的な要求や、一回のクエリで全米を検索するような広範な要求には応じません。
実例から見るAI検索の可能性
筆者はAI検索を通じて、様々な発見がありました。例えば、シアトルでは50万ドル以下で条件に合う物件が「現状渡し」の2軒しかなかったという厳しい現実を突きつけられつつも、以下のような夢の物件を見つけ出しました。
- 300万ドルの「夢の家」(ミシガン州ブルームフィールドヒルズ)
- 自然木張りのモダンな家(シンシナティエリア)
- 50万ドル以下の、森に囲まれた趣のあるミッドセンチュリーの牧場風住宅
これらの例は、AIが個人の好みに合わせて、膨大な情報の中から理想に近い物件を効率的に見つけ出す能力を示しています。
AI検索の限界と未来
RedfinのAI検索は「完璧ではない」と筆者は認めており、例えば「完全にリフォーム済み」の定義についてAIと意見が異なることもあると指摘します。また、Cars.comのAI検索が「ひどいゴミ」であるという Verge 編集長の意見も紹介し、AI検索の品質がサービスによって大きく異なることを示唆しています。
しかし、重要なのは、このAIが「物件購入の手続きや書類作成、鍵の配達までしてくれるわけではない」という点です。何十万ドルもの取引が関わる不動産売買においては、人間エージェントの役割は依然として不可欠であり、それはすぐに変わることはないでしょう。AIの役割は、あくまで「物件の選別」という比較的リスクの低い作業を支援することにあります。不動産情報を眺めるのが好きな人にとっては、AIはまさに強力な「促進剤」となる可能性を秘めています。
元記事: https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/840190/redfin-ai-search-chatbot
