リビアン、2026年初頭にAIアシスタントをEVに導入へ – 既存モデルにも展開

リビアン、2026年初頭にAIアシスタントをEVに導入

米国のEVメーカーであるリビアンは、2年間にわたる開発を経て、2026年初頭に自社開発のAIアシスタントを同社のEVに導入すると発表しました。このAIアシスタントは、次世代モデルだけでなく、既存のR1TピックアップトラックおよびR1S SUVにも展開される予定です。

ドライバーと同乗者は、このAIアシスタントを通じて、車内の空調制御やインフォテインメントシステムのタスクを操作できるようになります。さらに、リビアンのエンジニアが構築した「エージェント型フレームワーク」を使用し、車両システムとサードパーティ製アプリを連携させることが可能です。最初のサードパーティ製アプリとしてGoogleカレンダーが導入されるとリビアンは木曜日に発表しました。

独自技術「Rivian Unified Intelligence (RUI)」とLLMの活用

リビアンのソフトウェア開発責任者であるワシム・ベンサイド氏は、カリフォルニア州パロアルトで開催された同社のAI&オートノミーイベントで、「このAIアシスタントは、サードパーティのエージェントを統合できるという点で優れており、将来のアプリが車に統合される方法を完全に再定義するでしょう」と述べています。

このAIアシスタントは、Google Vertex AIやGeminiのような最先端の大規模言語モデル(LLM)によって強化され、データの理解、自然な会話、および推論能力を実現します。リビアンは、モデルやプラットフォームに依存しない独自のアーキテクチャを開発しており、これを「Rivian Unified Intelligence (RUI)」と名付けました。このハイブリッドソフトウェアスタックには、カスタムLLMと、様々なAIモデルを連携させる「オーケストレーションレイヤー」が含まれています。

RUIはAIアシスタントだけでなく、車両の診断機能の向上にも活用される予定です。同社は、RUIが「技術者向けのエキスパートアシスタントとして、遠隔測定と履歴をスキャンして複雑な問題を特定する」と説明しています。

垂直統合戦略の推進

今回の発表は、リビアンのCEOであるRJ・スカーリンジ氏が推進する垂直統合戦略を反映したものです。AI&オートノミーイベントでは、AIアシスタントに加えて、同社が独自に開発したソフトウェアと新しいハードウェアについても詳細が語られました。これには、ArmおよびTSMCと共同で開発されたカスタムの5nmプロセッサが含まれており、これによりハンズフリー運転支援システムの拡張と、最終的にはドライバーが道路から目を離せる運転の実現を目指しています。

リビアンは2024年に、R1TおよびR1Sのバッテリーパック、サスペンションシステム、電気アーキテクチャ、センサースタック、ソフトウェアユーザーインターフェースなど、基幹部分を完全に再設計しており、このような垂直統合への取り組みは何年も前から進められています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/11/rivians-ai-assistant-is-coming-to-its-evs-in-early-2026/