テスラ、オースティンでセーフティドライバーなしのロボタクシー試験を開始
テスラは2025年12月15日、テキサス州オースティン市で、セーフティドライバーを伴わないロボタクシーの公道試験を開始しました。これは、同社が半年前にオースティンで試験運用を開始して以来、商用ロボタクシーサービス実現に向けた極めて重要な進展となります。
長年の約束と現状
CEOのイーロン・マスクは、テスラの車両がソフトウェアアップデート一つで完全に自動運転になると約10年間も約束し続けてきました。現在、同社はAlphabet傘下のWaymoと競合するサービスを立ち上げる瀬戸際に立っており、マスクは先週「Waymoがテスラに勝つチャンスはなかった」と発言しています。
セーフティモニターの撤廃は、テスラのオースティンでの試験に対する外部からの精査をさらに強めるでしょう。特に、乗客なしで車両が運行され始めた際には、その注目度は高まると予想されます。昨年6月以降、テスラの小規模な試験フリートは少なくとも7件の事故に関与していますが、同社は国家幹線道路交通安全局(NHTSA)への報告書を大幅に編集しており、詳細はほとんど不明です。
試験の進展と課題
週末には、乗員がいないテスラModel Y SUVが走行する動画がソーシャルメディアで拡散され、マスクは日曜日に「乗員なしでの試験」を認めました。同社が顧客向けに無人ライドをいつ提供開始するかについては明らかにされていませんが、テスラの公式Xアカウントは「ゆっくりと、しかし一気に」と示唆しています。
テスラは昨年6月に選ばれたインフルエンサーや顧客を対象に、従業員が助手席で緊急時に介入できる形でライド提供を開始しました。その後9月には、セーフティモニターが運転席に移っています。フリートの規模はファンの観測によると最大で25〜30台程度に留まっていましたが、マスクは11月に既存のオースティンフリートを約60台に倍増させると発言しています。
マスクは以前、テスラが独自のロボタクシーフリートを運用し、年末までに「米国の人口の半分」をカバーすると豪語していましたが、この目標は大幅に下方修正されています。
規制とハードウェアの問題
カリフォルニア州が完全なドライバーレスライドを提供するために複数の許可を必要とする厳しい規制を設けているのに対し、テキサス州にはそのような規制がないことが、テキサスでの試験が加速する一因となっています。
マスクは長年にわたり、テスラ車の所有者が自分の車をロボタクシーフリートに加えることを許可すると語ってきました。しかし、2016年に「テスラが製造する全ての車が最終的に自動運転になるために必要なハードウェアを全て備えている」と約束したことは間違いであることが判明し、そのブログ投稿はテスラのウェブサイトから削除されています。同社はこの件に関して、多数の法的課題に直面しています。
テスラは運転支援ソフトウェアのハードウェアを複数回バージョンアップしており、マスク自身が1月に認めたように、数百万台の既存車両がアップグレードを必要とする状況にあります。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/15/tesla-starts-testing-robotaxis-in-austin-with-no-safety-driver/
