OpenAI支援のChai Discovery、大型資金調達を達成
AIを活用した創薬に取り組むバイオテック企業Chai Discoveryが、シリーズBラウンドで1億3,000万ドル(約180億円)の資金調達を完了し、企業評価額が13億ドル(約1,800億円)に達したことを発表しました。このラウンドはGeneral CatalystとOak HC/FTが共同で主導し、既存投資家であるOpenAI、Menlo Ventures、Dimension、Thrive Capital、Neo、Yosemite venture fund、Lachy Groom、SV Angelに加え、新たにGlade BrookとEmerson Collectiveも参加しました。これにより、同社の総資金調達額は2億2,500万ドル以上となりました。
AI創薬のパイオニア:Chai Discoveryの目指すもの
Chai Discoveryは、AIを駆使して医薬品開発プロセスを加速させることを目指しています。そのミッションは、「分子のためのコンピュータ支援設計スイート」を構築すること。生化学分子間の相互作用を予測し、病気の治療のために再プログラムできるようにすることに特化しています。これは、AIが医薬品開発の期間を短縮し、成功率を高める可能性を秘めているという、成長著しい業界の一翼を担っています。
革新的なAIモデル「Chai 2」とその成果
同社は昨年、AIモデル「Chai 1」を発表しましたが、現在では最新モデル「Chai 2」を提供しています。「Chai 2」は、デノボ抗体設計(既存の抗体を修正するのではなく、ゼロからカスタム抗体を構築する)において、他の方法と比較して成功率を大幅に向上させているとChai Discoveryは述べています。共同創業者兼CEOのジョシュ・マイヤー氏は、「我々の最新モデルは、実際の医薬品に求められる特性を持つ分子を設計でき、これまで困難だったターゲットにも対応できます」とコメントしています。
CEOの経歴とOpenAIとのつながり
Chai Discoveryの共同創業者兼CEOであるジョシュ・マイヤー氏は、機械学習の深いバックグラウンドを持っています。彼はFacebookで研究およびエンジニアリングに携わり、その前にはOpenAIで勤務していました。同社は2024年に設立されており、マイヤー氏の経歴からも、AI技術の最先端での経験がChai Discoveryの革新に大きく貢献していることが伺えます。
