ベネズエラ国営石油PDVSA、サイバー攻撃により操業が混乱

サイバー攻撃の概要とPDVSAの声明

2025年12月16日、ベネズエラの国営石油会社ペトロレオス・デ・ベネズエラ(PDVSA)が週末にサイバー攻撃を受け、その輸出業務が混乱している模様です。

PDVSAは月曜日の声明で、土曜日の朝に発生したこのインシデントが同社の操業に何ら影響を与えていないと否定しました。同社は、侵害は一部の管理システムに限定されていたと主張しています。「PDVSAの人材の専門知識のおかげで、運用領域は一切影響を受けておらず、攻撃は管理システムに限定された。したがって、国内市場への製品供給およびすべての輸出契約の履行において、安全なプロトコルの実装を通じて産業の運用継続性が維持されている」と述べています。

内部情報による実態と影響

しかし、Bloombergが報じた内部メモによると、PDVSAは操業および管理スタッフに対し、ネットワークからの切断とコンピューターのシャットダウンを指示していました。また、この状況に詳しい3つの情報源は、同国の主要な原油ターミナルを管理するPDVSAネットワーク上のシステムが月曜日もオフラインの状態であったとBloombergに伝えています。ロイターも内部情報源の引用でこれを裏付け、「貨物の配送がなく、すべてのシステムがダウンしている」と報じています。

攻撃の背景と政治的非難

このサイバー攻撃は、ベネズエラと米国間の緊張が高まる中で発生しました。先週、米当局は制裁対象となっていたベネズエラ産原油を積んだタンカーを差し押さえています。これは、米財務省外国資産管理局(OFAC)が2019年1月にPDVSAを制裁対象にして以来、初の差し押さえでした。

PDVSAは月曜日の声明で、今回の攻撃について、「国家の安定を損なう」企ての一環として米国政府と国内の共謀者が画策したものだと非難しています。「この攻撃未遂は、米政府が武力と海賊行為によってベネズエラ産原油を奪取しようとする公然たる戦略の一部である」と同社は述べ、「ペトロレオス・デ・ベネズエラS.A.は、国の主権あるエネルギー開発の権利を損なおうとする非愛国的な要素と結託した外国の利益によって画策されたこの卑劣な行動を断固として拒否する」と表明しました。

PDVSAの重要性と今後の見通し

ベネズエラは世界の主要な産油国であり、世界有数の原油輸出国です。PDVSAは、同国の石油生産、精製、輸出、ならびに天然ガスの探査と生産を監督しています。今回のサイバー攻撃が、PDVSAの国際的な信用やベネズエラの経済に与える長期的な影響が懸念されます。


元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/security/cyberattack-disrupts-venezuelan-oil-giant-pdvsas-operations/