カナダ発の衣料品レンタルRaxが米国進出
カナダを拠点とするピアツーピア(P2P)衣料品レンタルサービス「Rax」が、米国市場への拡大を発表しました。創業者のマーリー・アレス氏によって設立されたRaxは、ファッション業界における持続可能性を推進しながら、ユニークなレンタルモデルで注目を集めています。
Rax誕生の背景とビジネスモデル
Raxの創業者マーリー・アレス氏は、かつて会計士としてキャリアをスタートさせましたが、自身の友人たちの結婚式で高価なドレスを多数購入し、それらがクローゼットに眠ったままになるという経験から、レンタルサービスのアイデアを着想しました。
- RaxはP2Pのマーケットプレイスとして機能し、ユーザーは自身の所有する衣料品を他者にレンタルできます。
- 同社は在庫を保有せず、ユーザー間のマッチングを促進します。
- これまでアレス氏は自己資金でアプリを開発・ローンチし、現在は約5,000人のユーザーを抱えるまでに成長しました。
競合との差別化:長期レンタル
衣料品レンタルサービスはRent-the-RunwayやPickle、ByRotationといったサービスが既に存在しますが、Raxはそれらとは異なる独自の強みを持っています。
- 競合他社が日単位の短期レンタルを主流とする中、Raxは最長6ヶ月までの長期レンタルを可能にしています。
- これにより、数週間の休暇やシーズン通しての冬物ジャケットなど、より柔軟なニーズに対応できます。
アレス氏は、「私たちのプラットフォームでは、お客様は最長6ヶ月までレンタルできます。競合他社のプラットフォームは日単位のレンタルなので、数週間の休暇のためにレンタルすると非常に高額になります。あるいは、季節物の冬用ジャケットが欲しい場合も同様です」と述べています。
TechCrunch Disruptでの成功と今後の展望
Raxは、2025年10月に開催されたTechCrunch Disruptにおいて、消費財部門で最優秀ピッチを獲得し、米国市場への足がかりを築きました。アレス氏は、数千万ドルの資金調達をしている競合他社がいる中で自身の勝利に驚きを示しつつも、この経験が他の創業者との交流やコミュニティ形成の重要性を教えてくれたと語っています。
今後の展開として、Raxはニューヨークでの拡大を目指すとともに、ファッションデザイナーや小売業者向けにレンタルサービスプラットフォームの構築を計画しています。これは、ブランドが持続可能性の目標を達成するための新しい手段を提供するものです。
ファッションの持続可能性への貢献
衣料品のレンタルは、中古品購入と同様に、新品を買い続けるよりも環境に優しい消費方法として注目されています。Raxは「ファッションの循環性を推進している」とアレス氏は強調し、消費者の意識変化が持続可能なファッションを後押ししていると述べています。
「テクノロジーもオーディエンスも揃っています。ブランドも持続可能になる方法を模索しており、Raxのような企業はそれを可能にします。状況は好転しており、人々は自分たちの影響についてより意識的になっていると思います」とアレス氏は語りました。
