Jeff Bezos氏支援のEVトラック「Slate Auto」、市場の逆風にも関わらず15万台の予約を突破

Slate Auto、予約15万台達成の快挙

Jeff Bezos氏が支援する電気トラックスタートアップ、Slate Autoが、開発中の低価格EVトラックについて15万台を超える返金可能な予約を集めました。2026年末の発売を目指す同社にとって、これは大きなマイルストーンとなります。この数字は、CEOであるChris Barman氏のQ&Aビデオで明らかにされ、チャイルドシートの取り付け可能性(可能)といった予約所有者からの質問に答える中で共有されました。

予約の数字が示すものと市場の現実

自動車業界において、予約数は新型車への一般的な関心を示す指標となり得ますが、成功を保証するものではありません。過去数年間、多くのEV企業が予約数を誇りながらも、生産体制の確立や市場投入の困難に直面し、破綻するケースが相次ぎました。Slate Autoの場合、今年5月に10万台の予約を達成して以来、7ヶ月間でさらに5万台を積み増し、予約増加のペースは維持されているものの、初期の勢いからは緩やかになっています。

同社はインディアナ州ワルシャワで改修中の工場で、年間15万台のEV生産を計画しています。現在の予約台数はこの年間生産能力に匹敵しますが、市場での成功にはさらに多くの購入者を惹きつける必要があります。

EVトラック市場の低迷と競合の動向

Slate Autoへの期待が高まる一方で、EVトラック市場全体には逆風が吹いています。先日、Fordは全電動ピックアップトラック「F-150 Lightning」の生産終了を発表しました。収益性の低さが主な理由とされており、販売台数も四半期ごとに数千台にとどまっていました。また、Teslaの「Cybertruck」やGeneral Motorsの「Silverado EV」といった他の電動トラックも、同様に販売に苦戦しています。

Ford F-150 Lightningは、ガソリン車設計にEV技術を「無理やり組み込んだ」ような「フランケンシュタインの怪物」と評されることもあり、これが販売不振の一因と見られています。

Slate Autoの差別化戦略

このような市場環境の中で、Slate Autoは独自の戦略を打ち出しています。同社のトラックは、最初からEVとして設計された「ground up」設計である点が強みです。また、2万ドル台半ばという低価格帯に強く焦点を当てていることも大きな差別化要因です。

Fordなど競合他社の撤退は、Slate Autoが初期の成功を収めるための追い風となる可能性があります。しかし、Fordが2027年に新たな低価格EVトラック市場に本格参入を計画しているため、将来的な競争は激化する見込みです。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/16/slate-crosses-150000-reservations-despite-waning-ev-truck-enthusiasm/