速報:AmazonがOpenAIへの巨額投資を検討
Amazonが、先進AI研究企業OpenAIに対し、最大で100億ドル(約1.4兆円)もの投資を行う方向で初期交渉を進めているとCNBCが報じました。この報道が実現すれば、OpenAIの評価額は5000億ドル以上に達する可能性があるとBloombergは伝えています。
投資の背景と狙い
この戦略的な投資の一環として、OpenAIはAmazonのAIチップ、特に自社開発のTrainiumシリーズを活用することが見込まれています。AmazonはAI分野での競争力を強化するため、多角的なアプローチを取っており、すでにOpenAIのライバルであるAnthropicに80億ドルを投資しています。また、今月初めにはTrainiumチップの最新版を発表するなど、クラウドコンピューティングサービスであるAWS(Amazon Web Services)を通じてAIインフラの提供にも注力しています。
「循環型ディール」の加速
この潜在的な投資は、AI業界で台頭している「循環型ディール」の最新事例として注目されています。これは、大手ハードウェアメーカーやクラウドプロバイダーが若手のAI企業に投資し、その見返りとしてAI企業が投資元のデータセンターやチップをAIモデルのトレーニングに利用するというものです。これにより、投資家と被投資企業双方に利益が生まれる構図となっています。
- CoreWeaveとOpenAI、Nvidiaの例: 今年3月、OpenAIはCoreWeaveに3億5000万ドルの株式投資を行い、CoreWeaveはその資金で投資元Nvidiaのチップを購入。そのチップがOpenAIの計算能力を支え、CoreWeaveの収益を増やし、結果としてOpenAIの保有するCoreWeave株式の価値を高めています。
- AMD、Broadcomとの連携: OpenAIは10月にAMDの株式10%を取得する契約を交わし、AMDのAI GPUの利用を約束。同月にはBroadcomともチップ利用契約を結んでいます。
- AmazonとOpenAIの既存関係: 昨年11月には、OpenAIがAmazonと380億ドルのクラウドコンピューティング契約を締結しており、両社の関係は既に深いものとなっています。
今後の展望
この報道に対し、OpenAIとAmazonは現時点でコメントを発表していません。しかし、この動きは、Microsoftが27%の株式を保有するOpenAIが、今年に入って非営利モデルから営利モデルへの移行を完了したことで、Microsoft以外の投資家との取引自由度が高まったことを示しています。Amazonの巨額投資が実現すれば、AIチップ市場とクラウドインフラ市場における競争がさらに激化し、AI業界全体の進化を加速させることになりそうです。
