「Horizon」酷似ゲーム巡る訴訟、早期に和解へ
ゲーム業界の巨頭であるソニーとテンセントの間で係争中だった、テンセント傘下の開発スタジオによるゲーム「Light of Motiram」がソニーの人気タイトル「Horizon」シリーズの「露骨な模倣」であるとされた著作権および商標権侵害訴訟が、早期に決着しました。両社は「機密和解」に達し、裁判所に提出された文書によると訴訟は取り下げられています。
この和解に伴い、「Light of Motiram」はすでに主要なゲーム配信プラットフォームであるSteamおよびEpic Games Storeから姿を消しています。SteamDBの記録には、「このアプリは引退し、Steamストアでは利用できなくなりました」との表示があり、ゲームの配信停止が確認されています。
「Light of Motiram」とは:ソニーが主張する「露骨な模倣」
「Light of Motiram」は昨年発表された際から、そのビジュアルスタイルやゲームコンセプトがソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が手掛ける大ヒットシリーズ「Horizon」に酷似していると指摘されていました。ソニーは今年7月にテンセントを提訴し、特に「Light of Motiram」が「Horizon」の主人公アーロイを「露骨に模倣」し、その模倣キャラクターをマーケティング戦略の「中心」に据えていると非難。これは著作権および商標権の侵害にあたるとして、即時の差止を求めていました。
「Light of Motiram」のティザートレーラーは、「Horizon」シリーズが持つ豊かな自然、未来的なテクノロジー、そして巨大な動物型ロボットといった要素を色濃く反映しており、両作品間の類似性は明らかでした。
和解の詳細とゲームへの影響
今回の和解は「機密」とされており、具体的な条件は公開されていません。しかし、訴訟の取り下げと「Light of Motiram」の配信停止という結果は、ソニーの主張が一定程度認められた形と見られています。
テンセントアメリカのコミュニケーション責任者であるショーン・ダーキン氏は、「SIEとテンセントは、機密裏の解決に達したことを喜んでおり、この件に関してこれ以上の公式コメントはありません」と述べるとともに、「SIEとテンセントは、今後も協力していくことを楽しみにしています」と、今後の協力関係に前向きな姿勢を示しました。一方、ソニーからのコメントは現時点では得られていません。
IT業界における知財保護の重要性
今回の事例は、ゲームをはじめとするITエンターテインメント業界において、知的財産権の保護がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしました。大手企業間であっても、作品の模倣を巡る紛争は発生し得るものであり、その解決は業界全体の創造性と公正な競争環境の維持に大きく影響します。
元記事: https://www.theverge.com/news/847080/sony-tencent-lawsuit-horizon-clone-light-of-motiram-settlement
