Luma AI、始点・終点フレーム指定で動画生成可能な新AIモデル「Ray3 Modify」を発表

Luma AIが新AIモデル「Ray3 Modify」を発表

AIビデオおよび3Dモデル企業のLuma AIが、既存の映像をユーザーが制御して修正できる新たなAIモデル「Ray3 Modify」を発表しました。この革新的なモデルは、特に動画の生成と編集において、クリエイターにこれまでにない柔軟性と制御を提供し、クリエイティブ業界に大きな影響を与えることが期待されています。

Ray3 Modifyの主要機能

Ray3 Modifyは、クリエイターのニーズに応えるための以下の主要な機能を提供します。

  • キャラクター参照による映像修正: ユーザーはキャラクターの参照画像を提供することで、既存の映像を修正できます。これにより、元の映像のパフォーマンス(動き、タイミング、視線、感情表現)を維持したまま、登場人物の見た目を変更することが可能です。衣装、肖像、アイデンティティも高い精度で保持されます。
  • 始点・終点フレーム指定による動画生成: 始点と終点の参照フレームを指定することで、モデルがその間のトランジション映像を生成します。これは、シーン間の連続性を維持しつつ、トランジションの方向性やキャラクターの動き、行動を制御するのに非常に役立ちます。

このモデルは、AIを使用して映像を編集または生成する際に、人間のパフォーマンスを維持するという長年の課題を解決し、制作プロセスの効率と表現の幅を大幅に向上させます。

クリエイティブ業界への影響

Luma AIは、Ray3 ModifyがクリエイティブスタジオがAIを使って編集やエフェクトを生成する際に、人間のパフォーマンスを保持するという問題を解決すると述べています。このモデルは入力された映像により忠実に追従するため、スタジオはクリエイティブな映像やブランド映像に人間の俳優を起用しやすくなります。俳優の元の動き、タイミング、視線、感情表現を維持したまま、シーンを変革できる点が、特にプロの制作現場で高く評価されるでしょう。

Luma AI CEOのコメント

Luma AIの共同創設者兼CEOであるAmit Jain氏は、今回の発表について次のように述べています。「生成AI動画モデルは信じられないほど表現豊かですが、制御が難しいという側面もあります。本日、我々はAIの表現力と現実世界を融合させ、クリエイターに完全な制御を提供するRay3 Modifyを発表できることを大変嬉しく思います。これにより、クリエイティブチームはカメラでパフォーマンスを撮影した後、物理的な撮影を再実施することなく、AIを使って任意の場所に背景を変更したり、衣装を変えたり、あるいはシーンを再撮影したりすることが可能になります。

資金調達と今後の戦略

Ray3 Modifyは、Luma AIのDream Machineプラットフォームを通じて利用可能です。同社はRunwayやKlingといった競合他社と競争しながら、AI動画生成分野をリードしていく構えです。

今回のモデル発表は、11月に発表されたサウジアラビアのAI企業Humainが主導する9億ドルの資金調達ラウンドに続くものです。既存投資家であるa16z、Amplify Partners、Matrix Partnersもこのラウンドに参加しました。Luma AIは、Humainと共同でサウジアラビアに2GWのAIクラスターを構築する計画も進めており、今後のさらなる技術革新と事業拡大が注目されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/18/luma-releases-a-new-ai-model-that-lets-users-generate-a-video-from-a-start-and-end-frame/