Threadsの驚異的な成長と「世界で起きていることを語る場所」という目標
Metaのソーシャルメディアアプリ「Threads」は、この1年で目覚ましい成長を遂げました。Appleの年間iOSアプリダウンロード数でChatGPTに次ぐ2位を獲得し、月間アクティブユーザー数は4億人、日間アクティブユーザー数は1億5000万人に達しています。Threads責任者のコナー・ヘイズ氏によると、この成長は主にMetaの他プラットフォーム(InstagramやFacebook)からの誘導によって牽引されています。
ヘイズ氏は、ユーザーが「朝起きてすぐに開きたくなるアプリ」になることを目標に掲げ、Threadsのアイデンティティを明確化することに注力しています。その究極の目標は、Threadsを「世界で起きていることについて語るインターネット上の場所」にすることだと語っています。
競合との差別化とクリエイター戦略
Threadsは、単に旧Twitter(現X)だけでなく、RedditやDiscordといった他のプラットフォームも競合として意識しています。ヘイズ氏は、RedditのアクティビティやDiscordのグループチャットスタイルのコミュニティに類似点を見出しており、リアルタイムな会話の場としての競争は激しいと認識しています。
クリエイターの収益化に関して、Threadsは現在、直接的な monetization の仕組みを提供していません。代わりに、ThreadsをSpotifyのような外部プラットフォームへの「トラフィックチャネル」として位置づけています。最近導入されたポッドキャストのリンク表示機能がその一例で、SubstackやPatreonとの連携にも前向きな姿勢を示しています。しかし、Threads内での有料コンテンツや広告収益の分配は、現時点では計画していません。
広告の導入とアルゴリズムの進化
広告の導入については、Threadsは現在、米国を含む4カ国でテストを実施していますが、その展開は「意図的に緩やか」に進められています。ヘイズ氏は、ユーザー体験の価値が十分に高まったと判断された場合にのみ、広告負荷を段階的に増やしていく方針であることを強調しました。
Threadsはまた、「Dear Algo」と呼ばれる新機能を一部の国でテスト中です。これは、ユーザーが特定のトピックの表示を増減させるなど、プロンプトを使って自身のアルゴリズムをカスタマイズできる機能です。ヘイズ氏によれば、大規模言語モデル(LLM)の進化により、コンテンツ理解の精度が向上したことで、このような精密なアルゴリズム制御が可能になったとのこと。例えば、「フットボールのコンテンツをもっと見たいが、パトリック・マホームズは除く」といった具体的なリクエストにも対応できると説明しています。
フェディバースへのスタンスとニュースコンテンツの優先度
フェディバース(Mastodonのような他のアプリとの連携)に関して、Threadsは引き続きサポート・維持していますが、現在のロードマップにおける最優先事項ではないとヘイズ氏は明言しています。「ブレイクアウトに役立つ話ではない」とし、複数のプラットフォーム間でのプロトコルの整合性を維持することの難しさを指摘しました。
コンテンツの鮮度については、Threadsは「タイムリーさ」を重視しており、過去24時間以内のコンテンツを推奨する傾向があります。4~5日前のコンテンツは、たとえ質が高くても表示されない可能性が高いとされています。また、Xとは異なり、Threadsはジャーナリストや出版社を積極的に誘致する動きはしていません。ニュースコンテンツは「他の垂直領域と同じ」と位置づけられ、特別に優遇することなく、あくまで多様なクリエイターの一つとして扱われています。
元記事: https://www.theverge.com/column/847806/head-of-threads-interview
