Krafton、インド市場への大規模投資を加速
韓国の主要ゲーム会社であり、『PUBG』や『Battlegrounds Mobile India (BGMI)』などのヒットタイトルで知られるKraftonは、インド市場へのコミットメントをさらに深めています。同社は、インドに特化した成長投資ファンドを立ち上げ、世界最大のインターネット利用者層を抱えるこの国での存在感を強化する構えです。
「Unicorn Growth Fund」の概要
Kraftonが発表した新たな投資ファンドは「Unicorn Growth Fund」と名付けられ、韓国のインターネット複合企業Naverおよび投資会社Mirae Assetとの協力体制の下で運営されます。このファンドは、今後4年間で最大600億ルピー(約6億6,930万ドル)を投資する計画です。
- ファンドの管理はMirae Asset Venture Indiaが担当。
- 2026年1月に設立され、当初は300億ルピー(約3億3,460万ドル)以上の規模で運営を開始する予定。
- Kraftonは最初のクローズで123億ルピー(約1億3,720万ドル)を拠出。
- NaverもKraftonと同程度の規模の資金を拠出すると見られています。
- 個々の投資規模は1,000万ドルから3,000万ドルが中心となる見込みです。
このファンドを通じた投資は、主に財務的なポジションとして扱われますが、事業機会や長期的な可能性に応じて、ポートフォリオ企業との関与の度合いは異なるとのことです。
過去のインドへの投資と市場での挑戦
これまでにKraftonは、インドで2億ドル以上を投資し、ゲーム、コンテンツ、フィンテック分野の企業を支援してきました。最近ではフィンテック企業のCashfreeやベンチャーファンドのIMM Investmentに投資し、以前にはNodwin Gaming、Loco、Pratilipi、Kuku FMといったゲーム・コンテンツプラットフォームにも出資しています。また、2023年にはインドでゲームインキュベーターを立ち上げ、今年初めにはインドのゲームスタジオNautilus Mobileの支配権を1,400万ドルで買収しました。
しかし、Kraftonのインドでの事業拡大は、順風満帆ではありませんでした。同社の主力タイトルであるBGMIは、2022年にニューデリー政府によって一時的に禁止されましたが、2023年に3ヶ月間の試験的承認を経て復活しました。Kraftonは、BGMIが2020年半ばに国家安全保障上の懸念からインド政府によって禁止されたPUBG Mobileの地域版として2021年にリリースされて以来、Tencentとの提携を解消し、インドのサーバーをMicrosoft Azureに移行するなど、規制上の懸念に対処するための運用変更を重ねてきました。
新たな投資戦略と今後の展望
今回の新ファンド設立により、Kraftonはインドにおける戦略をゲーム分野にとどまらず、より広範なテクノロジースタートアップへと拡大していく方針です。これにより、アジアで最も急速に成長するデジタル市場の一つであるインドでの長期的な存在感を確立しようとしています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/19/krafton-hikes-india-bet-with-new-670m-fund/
