AIコーディングアシスタントCursorがGraphiteを買収
AIコーディングアシスタントを提供するCursorは、AIを活用してコードのレビューとデバッグを行うスタートアップ、Graphiteの買収を発表しました。この買収は、AIが生成するコードの品質向上と、開発プロセス全体の効率化を大きく加速させるものと期待されています。
買収の背景と戦略的メリット
買収条件は公表されていませんが、Axiosの報道によれば、CursorはGraphiteの以前の評価額である2億9,000万ドルを「大幅に上回る」金額を支払ったとされています。Graphiteは設立5年で、今年初めに5,200万ドルのシリーズB資金調達を完了していました。
この提携は、戦略的に極めて重要です。AIが生成するコードにはしばしばバグが含まれるため、エンジニアは修正に多大な時間を費やしています。Cursorは既にAIパワードのコードレビュー機能「Bugbot」を提供していますが、Graphiteの専門的なツールセット、特に「スタック型プルリクエスト」と呼ばれる機能が注目されています。この機能は、開発者が承認を待つことなく、複数の依存する変更に同時に取り組むことを可能にします。
AIによるコード生成とAIパワードのコードレビュー機能を統合することで、コードのドラフト作成から最終的な出荷までの期間を大幅に短縮できると見られています。
Cursorの積極的な事業拡大戦略
Cursorは積極的な買収戦略を進めており、昨年11月には290億ドルの評価額に達しています。直近では、先月には技術系人材採用戦略企業の「Growth by Design」を、今年7月にはAIパワードCRMスタートアップ「Koala」から主要人材を獲得しています。
AIコードレビュー市場の現状と主要プレーヤー
AIパワードのコードレビュー市場では、Graphite以外にも競合が存在します。例えば、CodeRabbitは9月に5億5,000万ドルの評価額を付けられ、Greptileは2,500万ドルのシリーズAを発表しています。
Cursorの共同創業者兼CEOであるMichael Truell氏は、Graphiteの共同創業者であるMerrill Lutsky氏、Greg Foster氏、Tomas Reimers氏と、Neoの「Neo Scholar」プログラムを通じて知り合いました。NeoはGraphiteのシード段階での投資家であり、AccelやAndreessen Horowitzといった著名なベンチャーキャピタルも両社に共通して出資しています。
元記事: https://techcrunch.com/2025/12/19/cursor-continues-acquisition-spree-with-graphite-deal/
