Sequoiaパートナーがデマ拡散、新経営陣の対応が問われる

Sequoiaパートナーがデマ拡散、新経営陣の対応に注目

著名ベンチャーキャピタル、Sequoia Capitalのパートナーであるショーン・マグワイア氏が、またしても物議を醸す発言で同社に注目を集めています。マグワイア氏は、ブラウン大学での銃撃事件に関する誤った情報をX(旧Twitter)で拡散し、その後投稿を削除。この事態を受け、同社の新しいリーダーシップが彼のソーシャルメディア活動を抑制できるのか、あるいは抑制する意思があるのかが問われています。

ブラウン大学銃撃事件を巡る誤情報

2025年12月13日に発生したブラウン大学での銃撃事件とそれに続くMIT教授殺害事件に関して、マグワイア氏はX上で、パレスチナ人学生が犯人である可能性が高いと憶測を投稿しました。彼は、ブラウン大学が「彼のオンライン上の存在を積極的に消去している」ことをその根拠として挙げました。

しかし、当局は後に、事件の実行犯を48歳のポルトガル人、クラウディオ・マヌエル・ネベス・ヴァレンテと特定し、彼もニューハンプシャー州の保管施設で死亡しているのが発見されました。ブラウン大学の当局者は、学生のデジタルフットプリントを削除したのは、危険な憶測から学生を保護するための措置であったと説明しています。

過去の炎上発言と社内での対応

今回の事件に先立ち、マグワイア氏は数か月にわたり、イスラム教徒や親パレスチナ活動家を標的とした物議を醸す投稿を繰り返していました。7月には、ニューヨーク市次期市長ゾーラン・マムダニ氏を「イスラム主義者」と呼ぶ発言が大きな反発を呼び、1,200人近くの創業者やテック業界関係者が、Sequoiaに対して行動を求める公開書簡に署名する事態に発展しました。

元マネージングパートナーのロエロフ・ボータ氏は、10月のTechCrunch Disruptでのインタビューで、マグワイア氏の行動を「表現の自由」として擁護し、「社内で意見の多様性を尊重している」と述べました。しかし、最高執行責任者(COO)のスマイヤ・バルバレ氏は、マグワイア氏の反イスラム的なコメントに対するSequoiaの無策を理由に、8月に同社を退職しています。

新経営陣の沈黙と外部からの批判

先月就任した新マネージングパートナーのアルフレッド・リン氏とパット・グレイディ氏は、マグワイア氏の行動について公には言及していません。アメリカ・イスラム関係評議会(CAIR)は、彼の告発が「深く無責任で信じられないほど危険である」として、マグワイア氏の解雇を求めています。

マグワイア氏は、防衛技術やAIスタートアップへの投資を主導し、イーロン・マスク氏のNeuralink、SpaceX、The Boring Company、X、xAIといった企業とも深い繋がりを持つことで知られています。

今後の展望

Sequoia Capitalの新しいリーダーシップが、この度重なるパートナーの物議を醸す行動に対し、どのような姿勢を示すのかが注目されています。同社が「多様な意見」を尊重する姿勢を維持するのか、あるいはパートナーの行動に対するより厳格な基準を設けるのか、その動向が注目されます。


元記事: https://techcrunch.com/2025/12/19/sequoia-partner-spreads-debunked-brown-shooting-theory-testing-new-leadership/