Shein、フランス実店舗進出でデータプライバシーと規制の壁に直面

Shein、フランスで初の常設実店舗を開設へ

オンラインファストファッション大手Sheinが、2025年11月にフランス国内で初の常設実店舗を開設する計画を発表しました。これまでポップアップストアを除きオンラインのみで事業を展開してきたSheinは、不動産会社Société des Grands Magasins(SGM)との提携を通じて、ディジョン、グルノーブル、ランス、リモージュ、アンジェの百貨店内に店舗を構える予定です。

厳しさを増すフランスとEUの規制

この実店舗進出の動きは、フランスがファストファッション業界に対する規制を強化する中で行われます。フランス上院は、Sheinのような企業に対し、環境負荷に応じた課税や広告禁止を課す法案を承認済みです。さらに、Sheinは欧州連合(EU)の「非常に大規模なオンラインプラットフォーム」としての規制対象となっており、最近ではユーザーデータを同意なく収集したとして、フランスで1億7600万ドル(約260億円)の罰金を科されています。これは、同社のデータプライバシー慣行に対する深刻な懸念を示しています。

地元百貨店とパリ市からの強い反発

Sheinのフランス進出計画は、地元からの強い反発に直面しています。SGMがフランチャイズ契約で運営するギャラリー・ラファイエットは、Sheinの「立ち位置と慣行」が百貨店の「提供する価値観」と矛盾するとして、出店決定に「深く反対する」と表明しました。また、パリ市長アンヌ・イダルゴ氏も、SheinのBHV百貨店への出店を非難し、「パリの生態学的・社会的野心に反する選択であり、責任ある持続可能な地域商業を支援する」と述べました。

データプライバシーと持続可能性への課題

Sheinのフランスでの実店舗展開は、同社が直面するデータプライバシー問題、環境への影響、そして労働慣行といった広範な課題を浮き彫りにしています。規制当局からの監視が強まる中、Sheinは事業拡大と同時に、これらの懸念に対処し、現地の法規制および社会的な期待に応える必要に迫られています。


元記事: https://www.theverge.com/news/791000/shein-france-physical-store-chinese-ecommerce-fast-fashion