サイバー攻撃によりアサヒビールのシステムが停止
日本で最も人気のあるビール「アサヒスーパードライ」の供給が、サイバー攻撃の影響で滞っています。アサヒグループホールディングスは、システム障害により日本国内の受注、出荷、コールセンター業務が停止していることを発表しました。この障害は日本国内に限定されており、攻撃から5日経った現在も影響が続いています。
同社は、今回の攻撃がランサムウェアによるものであることを確認していますが、「さらなる被害を防ぐため」として具体的な情報の公開を控えています。システムの復旧時期については、現時点では明確な見通しが立っていません。
手動処理で対応も、供給網への影響は深刻
アサヒグループは、システム障害発生後、手動での受注処理を開始しました。しかし、システムを介した大規模な受注や出荷は依然として停止状態にあります。この状況を受け、フィナンシャル・タイムズは木曜日に、主要な日本の小売業者が、供給網が回復しなければ週末には全国的にアサヒスーパードライの在庫が枯渇する可能性があると報じたと伝えています。
この事態は、日本の消費者に大きな影響を与えるだけでなく、企業のサプライチェーンにおけるサイバーセキュリティの脆弱性を浮き彫りにしています。
データ流出の可能性も調査中
アサヒグループは、「インシデントを封じ込め、対応するための即時措置を講じた」と説明しています。しかし、その後の調査で「不正なデータ転送の可能性を示唆する痕跡」が確認されたことも明らかにしました。現在、どのような情報が、どの程度の範囲で不正に転送された可能性があるのかについて、詳細な調査が進められています。
このデータ流出の可能性は、ランサムウェア攻撃が単なるシステム停止に留まらず、機密情報の漏洩というさらなるリスクを伴うことを示しており、企業にとってのサイバーセキュリティ対策の重要性を改めて強調するものです。
元記事: https://www.theverge.com/news/791192/asahi-beer-cyberattack-systems-outage