X、EU委員会広告アカウントを停止
ソーシャルメディアプラットフォームのX(旧Twitter)が、欧州委員会(EC)の広告アカウントを停止したと発表しました。これは、ECがXに対しデジタルサービス法(DSA)違反で1億2000万ユーロ(約1億4000万ドル)の罰金を科した直後の出来事であり、事実上の報復措置と見られています。
デジタルサービス法(DSA)初の罰金とイーロン・マスクの反応
欧州委員会は先日、デジタルサービス法(DSA)に違反したとして、Xに1億2000万ユーロの罰金を課しました。これは、DSAの下で企業に科された初めての罰金となります。この発表に対し、Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は自身のXアカウントで「Bullshit」と投稿し、不満をあらわにしていました。
X製品責任者の主張と広告アカウント停止の理由
罰金発表の翌日、Xの製品責任者であるニキータ・ビア氏は、欧州委員会が罰金に関する発表で、コンテンツのリーチを不当に増やす「エクスプロイト」を利用したと非難しました。ビア氏によると、ECは2021年以降広告アカウントを使用していなかったにもかかわらず、今回の発表では「広告専用の投稿形式」を悪用し、ユーザーを動画と誤解させるリンクを使って「意図的にリーチを人工的に増加させた」と主張しています。これを受け、XはECの広告アカウントを停止する措置を取りました。なお、投稿自体には動画が含まれていました。
措置の影響と今後の見通し
今回のXによる広告アカウント停止は、報復的なものと見られていますが、アナリストはXとEUの双方にとって状況を大きく変えるものではないと見ています。欧州委員会が2021年以降広告を使用していなかったというビア氏の主張が事実であれば、Xがアカウントを「人質」に取ることで得られる影響力は限定的です。Xは引き続き多額の罰金支払いの義務があり、控訴は可能ですが、加えて今後60日以内に「欺瞞的な認証済みチェックマークの使用」への対応策を提示しなければ、さらなる罰金に直面する可能性があります。
元記事: https://www.theverge.com/news/839742/x-cuts-off-the-european-commissions-ad-account
