CES 2026:ゲーマーの期待とAMDの戦略
毎年恒例のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2026は、ゲーマーにとってはやや期待外れの結果となりました。Nvidia、Intel、AMDといった主要メーカーから、新しいデスクトップGPUは発表されず、ハンドヘルドデバイスも目立った新製品が少ない状況でした。
特にAMDの基調講演は、AIに重点が置かれ、消費者向け製品への言及が少なかったため、一部からは不満の声も上がりました。既存の「Ryzen 7 9850X3D」や「Ryzen AI 400」の再発表にとどまり、昨年導入したZ2やZ2 Extremeの後継となるハンドヘルドゲーミングPC向け新チップの発表はありませんでした。その一方で、ライバルのIntelは「完全なハンドヘルドゲーミングプラットフォーム」の計画を公表し、Qualcommも3月の発表を示唆するなど、ハンドヘルド市場の競争激化が予想されています。
Strix Haloの価格が下がる可能性
CESでAMDが密かに明らかにした一つ目の注目すべき点は、高性能APU「Strix Halo」搭載システムの価格が大幅に下がる可能性です。
AMDは、自社のStrix Halo / Ryzen AI MaxチップがIntelのPanther Lakeを性能で凌駕すると主張しています。これまでのStrix Halo搭載システムは、約2,000ドルという高価な価格帯で販売されてきましたが、AMDは新たな戦略を打ち出しました。
- Strix Haloのカットダウン版となる「Ryzen AI Max Plus 388」と「392」を発表。グラフィック性能はそのままに、システム価格の引き下げを目指します。
- AMDの担当者ジェイソン・バンタ氏によると、これらの新チップにより、2,000ドル以下のStrix Haloシステムが実現可能になると期待されています。これは、高騰するRAM価格を考慮しても実現可能だという見方です。
- すでにAsusは、予算重視のTUFゲーミングノートPCラインにStrix Haloを搭載する動きを見せており、この価格戦略が市場にどのような影響を与えるか注目されます。
ソケット式モバイルプロセッサの復活
二つ目の興奮すべき発表は、AMDがソケット式のモバイルプロセッサを再び導入することです。これは「Ryzen AI 400」ラップトップチップとして登場し、デスクトップCPUのようにソケットに装着されるため、将来的な交換やアップグレードの可能性が生まれます。
バンタ氏によると、これらのソケット式チップは今年の第2四半期にはデスクトップ製品に搭載され始める予定で、1リットルから30リットルの多様なデザインで採用されることが期待されています。
- これはゲーマーだけでなく、AI PC市場にも大きな影響を与える可能性があります。「Copilot Plus」のような機能やローカルAIモデルを直接NPUで実行したいユーザーにとって、ソケットの柔軟性は大きな魅力となるでしょう。
- ただし、バンタ氏はラップトップのアップグレード性については慎重な見方を示しています。薄型化の需要と、ソケットと統合ヒートスプレッダーが追加する厚みが課題となるため、ミニPCのようなフォームファクタでの普及が現実的だと考えています。
- CESでは、Minisforumがモジュール式のデスクトップグラフィックカードを搭載したミニPCを展示しており、将来的にはCPUもアップグレード可能なミニPCが登場する可能性に期待が高まります。
AMDはまだDIY市場向けにソケット式モバイルプロセッサを販売する計画を明言していませんが、OEMとのパートナーシップは活発であり、今後の展開に期待が集まります。
元記事: https://www.theverge.com/tech/862861/amd-ces-2026-socketed-laptop-chips-strix-halo-price
