テスラ、廉価版モデルYを公開
テスラの長らく噂されていたより手頃な価格の電気自動車が、ついにその姿を現しました。来年発売予定のこの新型車両は、テキサス州の高速道路でカモフラージュなしで目撃され、その正体が既存のModel Yの廉価版であることが判明しました。当初「Model 2」として2万5千ドルのEVが期待されていましたが、今回の廉価版Model Yは約4万ドルからの価格設定になると見られています。
イーロン・マスク氏が以前の新型プラットフォームに基づくモデルをキャンセルして以来、手頃な価格のEVが単なる簡素化されたModel Yになるという噂が広まっていました。マスク氏は、昨年発表され2026年に生産開始予定のステアリングホイールのないCybercabの開発を優先したと報じられています。
コスト削減による変更点
目撃されたプロトタイプからは、いくつかのコスト削減策が明らかになっています。外観では、最新の「Juniper」リフレッシュで導入されたフロントおよびリアのライトバーが省略され、代わりに独立したヘッドライトが採用されています。リアには「TESLA」のバッジがなく、トランクの蓋がリアフェイシアからわずかに突き出ているなど、フィッティングの甘さも指摘されており、過去のパネルギャップ問題を想起させるかもしれません。
さらに、最近のファームウェアアップデートから漏洩した情報によると、以下の機能が削減される可能性があります:
- ムーンルーフ
- 電動格納ミラー
- 後部座席ディスプレイ
- パドルランプ
- キャビンライト、ムード照明、サスペンション、シートコントロールのダウングレード
- 19インチホイールから18インチへの小型化
バッテリーについては、テスラがネバダ州の工場で生産を開始した低コストのリチウム鉄リン酸(LFP)セルが採用される可能性が高いとされています。
自動運転機能への潜在的影響
今回のコスト削減は、テスラの自動運転技術の将来に重要な疑問を投げかけています。車両価格を下げるために部品を削減する中で、テスラが目指す完全自動運転の目標との間でトレードオフが生じる可能性があります。特に懸念されるのは、AutopilotやFull Self-Driving(FSD)を動かすコンピューターや、外部センサーの削減です。
現在のModel Yは8つのカメラを搭載していますが、廉価版でこれらのカメラの一部が削減された場合、FSDの機能にどのような影響が出るのでしょうか。記事では「FSDが8つのカメラでも完璧に機能しているわけではない」と指摘されており、さらなるセンサーの削減は、自動運転システムの安全性と信頼性に深刻な影響を与える可能性があります。コスト削減と安全機能の維持とのバランスは、今後のテスラにとって大きな課題となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/news/791414/tesla-model-y-cheap-affordable-photos-leak