テスラ、Autopilotの標準提供を終了
テスラは、新車に標準搭載されていたドライバーアシスト機能「Autopilot」の提供を終了しました。これは、同社が「Full Self-Driving(FSD)」システムを完全にサブスクリプション制へ移行させる戦略の一環と見られています。電気自動車メディアElectrekの報道によると、北米で販売される新型Model 3およびModel Yから、標準機能としてのAutopilotが削除されました。
この変更により、これまで新車購入時に無料で提供されていた車線維持機能「Autosteer」を利用するには、顧客は月額99ドルのFSDサブスクリプションに加入する必要があります。ただし、先行車との距離を保ちながら設定速度を維持する「Traffic-Aware Cruise Control」は引き続き標準機能として提供されます。
FSDサブスクリプション戦略と規制動向
今回の動きは、テスラが先週、FSDをオプションパッケージとしての販売を中止し、月額または年額のサブスクリプションモデルに完全に移行すると発表した直後に行われました。この戦略変更は、FSDの普及を促進し、継続的な収益源を確保する狙いがあると考えられます。
しかし、テスラは同時に規制当局からの厳しい監視にも直面しています。TechCrunchが指摘するように、テスラはドライバーアシストシステムの機能について過大広告を行ったとして、カリフォルニア州で30日間のディーラーおよび製造停止処分を受けています。昨年12月の判決では、裁判官がテスラがAutopilotの機能に関して顧客を誤解させる欺瞞的なマーケティングを行っていたと認定しました。カリフォルニア州車両管理局(DMV)は、テスラがAutopilotのブランド名を変更して対応するまでの60日間、この判決の執行を保留しています。
過去の「自動運転」に関する主張と現実
テスラは2019年4月、Autopilotの基本的な機能を新車の標準機能とし、より高度なFSDをオプションアップグレードとして販売していました。この時期は、イーロン・マスクCEOが同社の「自律走行の日(Autonomy Day)」で、自動運転の未来について大胆な予測を披露していた時期と重なります。例えば、マスク氏は2020年半ばまでにテスラの自律走行システムがドライバーが道路に注意を払う必要がなくなるほど進化すると予測していました(しかし、現在もFSD使用中はドライバーの注意が義務付けられています)。
また、マスク氏は2020年には初のロボタクシーを展開するとも予測していましたが、テスラがロボタクシーサービスを開始したのは2025年になってからで、それでも車両には安全監視員が同乗していました。今週になって、テスラは追跡車両を伴いながらも完全に自律走行する車両による配車サービスを開始しましたが、過去の予測からは大幅に遅れています。
まとめ
テスラの標準Autopilot廃止とFSDサブスクリプションへの完全移行は、同社の自動運転技術に関する事業戦略の大きな転換点を示しています。収益性の向上を狙う一方で、規制当局からの圧力や過去の野心的な約束とのギャップをどのように埋めていくかが、今後の課題となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/transportation/866586/tesla-kills-autopilot-autosteer-fsd-subscription
