電動アシスト自転車への規制強化が進行中:ITニュースライターの視点から

電動アシスト自転車の規制強化、新たな動き

米国ニュージャージー州で、電動アシスト自転車(e-bike)に対する厳格な新法が施行され、その影響と波紋がITおよび交通政策の分野で注目されています。この法律は、速度や出力に関わらずすべてのe-bikeを対象とし、他州にも同様の動きが広がる可能性を秘めています。

事の発端:ニュージャージー州の新法

ニュージャージー州で可決された新法は、高性能e-bikeによる事故の増加を受け、市場の無秩序な状態を是正することを目的としています。しかし、その規制は低速のペダルアシスト自転車(食料配達員や子供を送迎する保護者が利用)にまで及びます。具体的には、スロットルのない時速20マイル以下のe-bike所有者にも、陸運局への登録、免許取得、保険加入を義務付けるという内容です。

筆者はこの規制が、持続可能な交通手段を奨励する取り組みに悪影響を及ぼすと強く批判しています。州知事への嘆願もむなしく、法案は成立してしまいました。

現状と他州の動向

ニュージャージー州の住民は、全米で最も厳しいe-bike法の一つに直面しています。自転車推進派は、この法案が急速に可決されたことに懸念を示しており、他の州が同様の動きに追随することを危惧しています。

  • ニューヨーク市:e-bikeの速度を時速15マイルに制限。これは多トン数のSUVやトラックが跋扈する市街地で、e-bikeが機動性を発揮することを著しく困難にします。
  • カリフォルニア州:750Wを超えるモーターを搭載したe-bikeの販売を禁止する法案が提案されています。

確かに、高性能で高速なe-bikeの増加は各地で懸念されており、ソーシャルメディアでは10代のe-bike乗車に関する意見が飛び交っています。e-bikeに関連する怪我や死亡事故の増加は、無視できない問題です。

しかし、この記事は、こうした問題がより良いインフラ整備と安全教育によって解決可能であると主張しています。ニュージャージー州のような拙速な立法は、低コストで環境に優しい交通手段としてe-bikeを利用したい幅広いコミュニティに悪影響を与えます。複数の研究が示すように、e-bikeは従来の自転車よりも頻繁に乗られ、自動車の利用を代替することで炭素排出量の削減と健康的な地域社会に貢献しています。

今後の展望と「自動車中心主義」の偏見

自転車推進派は、ニュージャージー州の法律における「問題点」を修正しようと奮闘しています。特に、10代の若者と高性能e-moto(電動モトクロスバイクに近いもの)に対するより厳しいルールへとエネルギーを転換しようとしています。しかし、その成功は保証されていません。

オンラインではe-bikeに関する誤った情報が拡散されており、時速40マイルの電動ダートバイクと、スロットルなしで最高時速20マイルのペダルアシスト自転車との決定的な違いを理解しないまま、すべてのe-bikeを危険視する傾向があります。

米国のように自動車への依存度が高い国では、「自動車中心主義(car brain)」、「モートノルマティビティ(motonormativity)」といった偏見が存在します。これは、すべての決定が自動車のために行われるべきだという考え方です。筆者は、議員たちが特にこれらの偏見に陥りやすいと指摘しています。一部のe-bikeが脅威であることは確かですが、出力や速度に関係なくすべてのe-bikeを同一視することは、e-bikeが持つ巨大な可能性を見過ごすことになります。

e-bikeのクラス分けと他州の事例

ニュージャージー州の新法の奇妙な点の一つは、既存のe-bikeの3クラスシステムを完全に放棄していることです。

  • クラス1:ペダルアシストのみ、スロットルなし。
  • クラス2:スロットルアシスト付き、最高時速20マイル。
  • クラス3:ペダルアシストのみ、スロットルなし、最高時速28マイル。

ニュージャージー州はこれらをすべて「e-moto」と見なすことにしました。

安全推進派は、コネチカット州を適切な規制の例として挙げています。コネチカット州では昨年、ペダルのないe-bikeで750Wを超えるバッテリーを搭載したものには運転免許の取得を義務付ける法律を可決しました。3,500Wを超え、時速35マイルから50マイル以上出せる高性能e-bikeには、オートバイと同様に登録と保険が義務付けられます。一方で、低速のペダルアシストe-bikeは規制の対象外とされました。これは、e-bikeの多様性を考慮した現実的なアプローチと言えるでしょう。

また、モーターのワット数に基づいたe-bike規制の無益性についても議論されています。企業がワット数を偽装する可能性があるため、より効果的な規制方法が求められています。


元記事: https://www.theverge.com/column/866218/e-bike-crackdown