元Googleエンジニア、AI技術データ中国流出で有罪
米国の連邦陪審は、元Googleのソフトウェアエンジニアである林暐・ディン(Linwei Ding)氏に対し、雇用主からAIスーパーコンピューターのデータを盗み出し、これを秘密裏に中国のテクノロジー企業と共有した罪で有罪判決を下しました。ディン氏は、Googleの社内調査に誠実に対応せず、虚偽の証言をした後、2024年3月に起訴され、カリフォルニア州で逮捕されていました。
検察によると、ディン氏は2022年5月から2023年4月にかけて、Googleの機密扱いのAI関連資料2,000ページ以上を盗み出し、自身の個人Google Cloudアカウントにアップロードしました。盗まれたファイルには、GoogleのAIスーパーコンピューティングインフラ、独自のTPUおよびGPUシステム技術、大規模AIワークロード用のオーケストレーションソフトウェア、SmartNICネットワーキング技術に関する重要な情報が含まれていました。
中国企業との密接な関係と動機
2019年にGoogleに入社したディン氏は、秘密裏に中国を拠点とする2つのテクノロジー企業と提携し、そのうちの1社では最高技術責任者(CTO)の役職交渉まで行っていたことが判明しています。さらに彼は、中国で自身のAI企業「上海智算科技有限公司(Shanghai Zhisuan Technology Co.)」を設立し、CEOを務め、潜在的な投資家に対し、Googleと同様のAIスーパーコンピューティングインフラを構築できると語っていました。
証拠は、ディン氏が中華人民共和国(PRC)関連団体を支援しようとし、上海政府が後援する人材プログラムに応募し、その目標が「中国が国際レベルに匹敵するコンピューティングインフラ能力を持つことを助ける」ことであると明言していたことを示しています。
「陪審は、PRC政府が、個人が中国に来てPRCの経済的・技術的成長に貢献することを奨励する人材計画を策定していることに関する証拠を聞きました。」と米国司法省は発表しています。「ディン氏のこの人材計画への申請書には、『中国が国際レベルに匹敵するコンピューティングインフラ能力を持つことを助ける』計画であると記載されていました。」
また、裁判中の証拠では、「ディン氏が、AIスーパーコンピューターの開発を支援し、カスタム機械学習チップの研究開発で協力することにより、中国政府が支配する2つのエンティティに利益をもたらす意図があった」ことも示されました。
巧妙な欺瞞工作
ディン氏は、これらの企業との提携や中国への渡航についてGoogleに一切報告していませんでした。さらには、自身の同僚に定期的に職場の入館バッジをスキャンしてもらい、自分がまだ米国で働いているかのように見せかけていたことも明らかになっています。
経済スパイ罪と企業秘密窃盗罪で有罪
サンフランシスコでの11日間にわたる裁判の結果、ディン氏は7件の経済スパイ罪と7件の企業秘密窃盗罪で有罪となりました。これらの罪はそれぞれ最大10~15年の懲役刑が科せられる可能性がありますが、現時点では刑期は発表されていません。
