倉庫ドローンAIのGather AIが4,000万ドルを調達、元セールスフォース共同CEOのファンドが主導

AI駆動型倉庫ドローン企業Gather AIがシリーズBで4,000万ドルを調達

倉庫向けAIプラットフォームを提供するGather AIが、元セールスフォース共同CEOのキース・ブロック氏が設立したVCファーム、スミス・ポイント・キャピタルが主導するシリーズBラウンドで4,000万ドル(約60億円)の資金調達を実施しました。今回の調達により、同社の総資金調達額は7,400万ドルに達しました。

Gather AIは、倉庫内の在庫管理を革新する独自のAI技術とドローン活用で注目を集めています。同社のCEOであるサンカルプ・アローラ氏によると、スミス・ポイント・キャピタルはGather AIのビジョンを「5分で理解した」といい、その技術への高い評価がうかがえます。

「好奇心旺盛なAI」で倉庫管理を最適化

Gather AIの技術の中核にあるのは、同社が「好奇心旺盛なAI(curious AI)」と呼ぶ独自のアルゴリズムです。これは、単に設定されたタスクをこなすだけでなく、倉庫内を自律的に探索し、異常や潜在的な問題を発見する能力を持っています。

カーネギーメロン大学の博士課程で出会った4人の創業者によって設立されたGather AIは、元々ヘリコプターの自律飛行技術の研究から生まれました。彼らは、既存のフォークリフトに搭載されたカメラや市販のドローンを活用し、倉庫のオペレーションを監視します。AIは以下の情報をスキャンし、倉庫管理システムに記録します。

  • バーコード
  • ロットコード
  • テキスト情報
  • 有効期限
  • ケース数
  • 破損状況
  • 占有状況
  • その他、重要なアイテム

このアプローチにより、在庫不足、誤った在庫配置、安全上の問題を引き起こす可能性のあるワークフローなど、さまざまな課題を予測し、解決に導きます。特に、人が作業しにくい冷凍倉庫などの環境でも、ドローンは効率的に機能します。

LLMとは異なる「具現化されたAI」のアプローチ

Gather AIのAI技術は、近年主流となっている大規模言語モデル(LLM)とは一線を画しています。アローラ氏は、「これらはエンドツーエンドのニューラルネットワークではなく、古典的なベイズ法とニューラルネットワークを組み合わせたものだ」と説明しています。ベイズ法は確率に基づいた手法で、データと事前知識を用いて視覚データを解釈し、学習します。これにより、LLMが抱えるような「幻覚」の問題を回避し、より堅牢な情報収集と意思決定を可能にしています。

この技術は、「具現化されたAI(embodied AI)」という次世代のAI分野の最先端に位置付けられます。具現化されたAIは、チャットやウェブアプリケーションを通じてインタラクションするLLMとは異なり、現実世界と物理的に相互作用するロボットを指します。Gather AIは、2025年のNebius Robotics賞のVision AIおよびストリーミングビデオ分析部門を受賞するなど、この分野での実績も評価されています。

主要顧客と今後の展望

Gather AIは現在、約60名の従業員を抱え、Kwik Trip、Axon、GEODIS、NFI Industriesといった大手企業を顧客としています。今回の新たな資金調達は、同社の技術開発と市場拡大をさらに加速させることでしょう。倉庫管理の効率化と自動化が進む中で、Gather AIの「好奇心旺盛なドローン」が果たす役割はますます重要になると予測されます。


元記事: https://techcrunch.com/2026/02/09/gather-ai-maker-of-curious-warehouse-drones-lands-40m-led-by-keith-blocks-firm/