はじめに:Uber、Getirのデリバリー事業を買収
配車サービス大手Uberは、トルコ発のクイックコマース企業Getirのデリバリー事業を買収することで合意しました。この買収は、Uberが中東・欧州・アフリカ(EMEA)地域におけるデリバリーサービス事業の拡大と強化を目指す戦略の一環です。
買収の詳細と取引の背景
今回の契約において、UberはまずGetirのフードデリバリー事業に対し3億3,500万ドルを支払います。さらに、Getirの食料品、小売、および水のデリバリー事業の15%の株式を1億ドルで取得し、この部門の完全な買収を今後数年間で完了させる予定です。この事業売却は、Getirの筆頭株主であるアラブ首長国連邦の政府系ファンドMubadalaが主導しました。
Getirの浮き沈み:かつてのユニコーン企業の苦境
Getirは2015年に創業され、一時は120億ドルの評価額を誇る成功事例として注目されました。パンデミック期には、欧米市場で積極的な拡大戦略を展開しましたが、ロックダウン緩和後の需要減退により大規模な事業再編を余儀なくされました。2024年には米国、英国、欧州市場から撤退し、本国トルコに焦点を絞ることを決定しています。また、Mubadalaが提案した再編計画を巡っては、共同創業者が提訴する事態に発展するなど、内部分裂も報じられていました。同社はこれまで合計で24億ドルを調達しましたが、昨年提出された裁判所文書によると、グループ資産価値は3億7,400万ドルと評価されていました。
Uberの戦略と市場への影響
Uberは、買収したGetirのデリバリーサービスを、昨年5月に7億ドルで買収したトルコのフード・食料品デリバリーサービス「Trendyol Go」と統合する方針です。これにより、同地域での市場シェア拡大と効率化を図ります。Getirのフードデリバリー事業は2025年に10億ドル以上の総予約額を記録し、前年比50%増と好調を維持していました。Uberのデリバリー事業全体も、直近の第4四半期で48.9億ドルの収益を上げ、前年比30%増を達成しており、EMEA地域が2026年には最も成長の速い地域となる見込みです。今回の買収は、Mubadalaのワリード・アル・モカラブ・アル・ムハイリ副グループCEOが「事業の強さと特に過去1年間の進歩を反映している」とコメントするなど、Getirの事業価値を評価する動きでもあります。
今後の展望
今回の買収は、競争が激化するクイックコマースおよびデリバリー市場において、大手企業による再編と市場統合が進むことを示唆しています。UberはGetirの既存インフラと顧客基盤を取り込むことで、トルコおよび周辺地域でのリーダーシップをさらに強化し、収益性の高いデリバリー事業の成長を加速させるものと期待されます。
元記事: https://techcrunch.com/2026/02/09/uber-to-buy-delivery-arm-of-turkeys-getir/
