YouTube Music、歌詞表示に有料制限を導入か – 無料ユーザーに回数制限を試験運用

はじめに:YouTube Musicが歌詞に有料制限を導入か

GoogleがYouTube Musicにおいて、無料ユーザーに対する歌詞表示の制限を試験的に導入していることが明らかになりました。これまでモバイルアプリで全てのユーザーに提供されてきた歌詞機能が、一部のユーザーに対して数回の表示後に有料のプレミアム購読を促す形式へと変更されています。

この動きは、米メディア9to5Googleが報じたユーザーからの報告数の急増によって注目されており、制限の対象が拡大している可能性が示唆されています。

詳細:有料制限の内容とGoogleの声明

現在、無料ユーザーが歌詞機能にアクセスすると、「残り[x]回閲覧可能です」という警告が表示される模様です。具体的な回数はテストグループによって異なりますが、ユーザーからは5回程度の無料閲覧が提供された後、有料化が求められるという報告が挙がっています。制限を超過すると歌詞がぼかされ、閲覧するにはプレミアムアカウントへのアップグレードが必要となります。

現在のところ、Googleはこの変更をプレミアム購読の新たな特典として公式に発表しておらず、Googleのサポートページにも歌詞機能に関する言及はありません。Ars Technicaの取材に対し、Googleはこれが「実験」であることを認め、「広告サポートユーザーのごく一部で、歌詞機能への繰り返しアクセスに影響を与える可能性のある実験を行っています」とコメントしています。また、歌詞機能に関する最終決定はまだ下されておらず、「大多数」のグローバルユーザーには変更がないと説明しています。

  • 無料ユーザーは歌詞を数回表示すると、プレミアム購読を要求される。
  • 現行のテストでは、無料閲覧回数は5回程度とされる。
  • Googleは公式発表を行っておらず、実験段階であると説明。
  • 大部分のユーザーには影響がないとされているが、テストは拡大傾向にある。

背景:他社の動向とGoogleの収益戦略

音楽ストリーミングサービスにおける歌詞機能の制限は、YouTube Musicが初めてではありません。競合のSpotifyも2024年に無料ユーザーへの歌詞アクセスを制限しましたが、ユーザーからの猛烈な反発を受けて撤回し、広告サポートアカウントにも歌詞アクセスを復元した経緯があります。

YouTube MusicはSpotifyほどの市場リーチを持たないため、同様の反発が起こったとしても、その影響はSpotifyほど大きくないかもしれません。また、多くのユーザーは広告なしのYouTube動画のためにプレミアムサービスに加入しているため、歌詞機能の変更に気づかない可能性も指摘されています。

Googleは無料YouTubeアカウントへの制限を強化することで、収益を増加させています。直近の決算報告では、YouTube全体で広告と購読(YouTube PremiumおよびYouTube TV)を合わせて600億ドルの収益を報告しており、これは前年比で約100億ドルの増加です。YouTube Musicの歌詞はサードパーティから提供されており、Googleはこれに費用を支払っているため、コストをカバーする方法を模索しているのは自然な流れと言えるでしょう。

考察:AI活用の可能性とユーザーへの影響

費用負担の観点から歌詞を有料化する動きは理解できますが、一部からは「なぜGoogleはAIを使って無料で歌詞を生成しなかったのか」という疑問の声も上がっています。Googleは最近、AIアップスケーリングや偽DJ、コメント要約といった様々なAI機能をYouTubeで試しており、ユーザーの反応を試すような施策を続けています。

歌詞の有料化は、YouTube Musicのユーザー体験に大きな影響を与える可能性があります。特に、歌詞を重視するユーザーにとっては、プレミアム購読を検討する強力な動機となるでしょう。今後のGoogleの動向とユーザーの反応が注目されます。


元記事: https://arstechnica.com/google/2026/02/google-locks-youtube-music-lyrics-behind-paywall/