OpenAI、ChatGPT内でのアプリ連携を開発者向けに開放

OpenAI、ChatGPT内でのアプリ連携を開発者向けに開放

OpenAIは、開発者がChatGPT内で直接動作するアプリケーションを構築できる新機能を発表しました。これにより、ユーザーはChatGPTとの会話中に、Spotify、Canva、Zillowといった外部アプリと連携し、タスクをシームレスに完了できるようになります。この動きは、AIプラットフォームの利用方法に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。

ChatGPTと外部アプリの連携事例

OpenAIは、この新機能の具体的な活用方法をデモンストレーションで示しました。例えば、

  • ChatGPTに犬の散歩ビジネスのポスター作成を依頼すると、Canvaが複数のデザイン案を生成し、さらにそのポスターに基づいたピッチデッキの作成も可能になります。
  • Zillowとの連携では、ChatGPTを通じてピッツバーグの売り出し中の住宅を検索し、インタラクティブなZillowマップを表示させ、それについて追加の質問をすることもできます。

これらの事例は、AIがユーザーの意図を理解し、適切な外部ツールを呼び出して具体的な成果を生み出す、新たなワークフローを示唆しています。

提供されるアプリと開発者向け情報

この機能は本日より、以下のアプリで利用可能になります。

  • Booking.com
  • Canva
  • Coursera
  • Expedia
  • Figma
  • Spotify
  • Zillow

さらに、数週間以内にはDoorDash、OpenTable、Target、Uberなどのアプリも追加される予定です。開発者向けには、アプリ作成用のSDKが本日よりプレビュー版として提供開始されます。年内には、開発者がアプリを提出・公開できるようになり、OpenAIはユーザーがアプリを閲覧できるディレクトリも提供する計画です。収益化に関するガイダンスも「近日中」に発表されるとのことです。

セキュリティ上の考慮事項と課題

ChatGPTのような強力なAIプラットフォームに多数の外部アプリが連携されることは、ユーザーの利便性を飛躍的に向上させる一方で、新たなセキュリティ上の課題も生じさせます。セキュリティニュースの観点から、以下の点が重要視されます。

  • データプライバシーとアクセス権限:ChatGPTを介してアプリがユーザーデータにアクセスする際のプライバシー保護と、必要最小限の権限付与が適切に行われるかどうかが鍵となります。
  • 悪意のあるアプリからの保護:アプリディレクトリが提供されることで、悪意のある開発者が不正なアプリを公開し、ユーザーを騙すリスクも考慮する必要があります。OpenAIによる厳格な審査プロセスが不可欠です。
  • API連携の安全性:各アプリとのAPI連携において、データの送受信が安全なプロトコルで行われ、中間者攻撃などから保護されていることが求められます。
  • 開発者の責任:アプリ開発者には、自身のアプリがChatGPTと連携する際に、堅牢なセキュリティ対策を講じ、ユーザーデータを適切に扱う責任が強く求められます。

ユーザーは、利用するアプリの信頼性を慎重に確認し、不審な挙動がないか常に注意を払う必要があります。OpenAIと開発者コミュニティは、この革新的な機能の恩恵を最大限に引き出しつつ、セキュリティリスクを最小限に抑えるための継続的な努力が求められるでしょう。


元記事: https://www.theverge.com/news/793039/openai-chatgpt-apps-developers-sdk-canva-zillow-devday-2025