Instagram、トップクリエイター向けに新たな「リング」アワードを導入 – デジタル資産の価値とクリエイター経済の動向

Instagramが「リング」アワードを発表

Instagramは2025年10月6日、トップクリエイターを称える新たなアワードプログラム「リング」の立ち上げを発表しました。来週には25名のクリエイターがゴールドリングを受け取る予定です。このプログラムは、文化を動かし、障壁を打ち破る世界中のクリエイターを認識することを目的としています。

審査員には、Instagram責任者のアダム・モッセーリ氏、スパイク・リー監督、デザイナーのマーク・ジェイコブス氏、YouTuberのマーカス・ブラウンリー氏、女優のヤラ・シャヒディ氏、メイクアップアーティストのパット・マクグラス氏などが名を連ねています。受賞者には、イギリスのファッションデザイナー、グレース・ウェールズ・ボナー氏がデザインした物理的なカスタムリングが贈られるほか、Instagramプロフィールに表示されるデジタルゴールデンリング、そしてフィード投稿の「いいね」ボタンをカスタマイズする権利が与えられます。特筆すべきは、受賞者に金銭的な報酬は一切提供されない点です。

変化するクリエイター経済の背景

このアワード導入は、Metaが過去数年にわたりクリエイターへの支払いプログラムを縮小してきた背景の中で行われます。今年初めには、プロフィール内広告の支払いプログラムを終了し、2023年にはInstagramとFacebookのReelsクリエイターへのボーナス提供を停止しました。また、2022年にはアフィリエイトマーケティングボーナスも廃止されています。

クリエイター経済全体でも厳しい状況が続いており、Kajabiの調査によると、2024年にはブランド取引が52%減少しました。バンク・オブ・アメリカも昨年、スポンサーシップの鈍化と、より多くの有料パートナーシップがトップクリエイターに集中していることを指摘しています。このような状況下で、金銭的報酬のない象徴的なアワードをInstagramが導入する動きは、クリエイターのモチベーション維持とプラットフォームへのエンゲージメントを促す新たな戦略として注目されます。

デジタルアワードの価値とセキュリティへの示唆

Instagramは、このアワードが「創造的な挑戦を恐れず、自分らしいやり方で物事を成し遂げる人々、そしてその創造性を通じて人々を結びつけ、評価されるべき人々を称えるもの」であると説明しています。金銭的価値がないにもかかわらず、デジタルゴールデンリングやカスタム「いいね」ボタンといったデジタル資産は、クリエイターのステータスと影響力を象徴する新たな価値を持つことになります。

セキュリティニュースの観点からは、このような視覚的かつ排他的なデジタルアワードは、アカウント乗っ取りやフィッシング詐欺の新たな標的となる可能性を秘めています。高いステータスを示すデジタルバッジは、悪意のある攻撃者にとって魅力的なターゲットとなり得るため、受賞クリエイターは、これらの貴重なデジタル資産を保護するため、アカウントセキュリティの強化に一層注意を払う必要があるでしょう。受賞者は10月16日に発表される予定です。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/06/instagram-introduces-new-ring-award-for-top-creators/