アンドリーセン・ホロウィッツ、インドオフィス開設報道を強く否定
著名なベンチャーキャピタル企業であるアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)は、インドにオフィスを開設する計画があるとの現地メディア報道に対し、「完全にフェイクニュースである」と強く否定しました。この報道は、a16zがバンガロールに拠点を設立し、現地パートナーを雇用する準備を進めていると報じていましたが、同社のゼネラルパートナーであるアニッシュ・アチャリヤ氏がX(旧Twitter)でこれを一蹴。その後、a16zの広報担当者もアチャリヤ氏の声明を追認し、報道の誤りを明確にしました。
誤報の背景とa16zの国際戦略
今回の否定は、a16zが国際的な事業展開において戦略の見直しを進めている中で発生しました。同社は今年初め、2023年に開設したロンドンオフィスをわずか18ヶ月で閉鎖することを決定しています。これは、戦略の転換と本国での規制環境の好転が理由とされています。a16zは、リモートチームと現地のネットワークを通じて国際投資を継続する方針を示しており、今回のインドオフィス開設報道は、こうした同社の現在の戦略とは異なるものでした。
インド市場への関与と過去の投資
これまでインド市場は、アクセル、ジェネラル・カタリスト、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズといった他の米国系VCと比較して、a16zの主要な投資対象ではありませんでした。a16zのインドにおける唯一の注目すべき投資は、2021年の2億6,000万ドルの資金調達ラウンドの一環として支援した暗号通貨取引所CoinSwitchのみです。その後、インドのスタートアップに約5億ドルを投資する意向が報じられたものの、それ以降、大規模な投資は行われていません。
ベンチャー投資における地域拡大の課題
a16zの共同創設者兼ゼネラルパートナーであるマーク・アンドリーセン氏は、以前スタンフォード大学経営大学院での講演で、新興市場への投資は「非常に魅力的」である一方で、ベンチャーファンドがより多くの国に拡大することは困難であると述べていました。彼は、ベンチャーキャピタルは「企業を評価し、企業と協力するために、一緒に働く人々を理解する非常に実践的なプロセス」であると強調しており、今回の「フェイクニュース」騒動は、こうした国際展開の複雑さを改めて浮き彫りにする形となりました。