マイクロソフト、既存のAIインフラで優位性をアピール
OpenAIが独自のAIデータセンター構築に注力する中、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、同社がすでに大規模なAIインフラを保有していることを改めて強調しました。ナデラ氏は木曜日、同社が初めて展開した大規模AIシステム、通称「AIファクトリー」の動画をツイートし、これがマイクロソフトAzureのグローバルデータセンターに展開される「多数のNvidia AIファクトリーの第一弾」であり、OpenAIのワークロードを処理すると約束しました。
Nvidiaとの戦略的提携と最先端技術
このAIファクトリーは、それぞれ4,600台以上のNvidia GB300ラックコンピューターで構成され、需要の高いBlackwell Ultra GPUチップを搭載しています。これらはNvidiaの超高速ネットワーキング技術であるInfiniBandを介して接続されています。Nvidiaのジェンセン・フアンCEOは、2019年にMellanoxを69億ドルで買収し、InfiniBand市場を独占するという先見の明を持っていました。マイクロソフトは、これらのシステムをグローバルに展開するにあたり、「数十万個のBlackwell Ultra GPU」を配備すると約束しています。
OpenAIとのデータセンター競争の背景
この発表のタイミングは非常に注目に値します。これは、マイクロソフトのパートナーでありながら「友であり敵」でもあるOpenAIが、NvidiaとAMDとの間で2つの大規模なデータセンター契約を結んだ直後に行われました。OpenAIは2025年までに、独自のデータセンター構築のために1兆ドルもの投資をコミットしたと推定されており、サム・アルトマンCEOは今週、さらなる計画があることを示唆していました。
マイクロソフトは、34カ国に300以上のデータセンターをすでに保有しており、これらが「今日のフロンティアAIの要求を満たすために独自に位置付けられている」ことを世界に知らしめたいと考えています。これらの巨大なAIシステムは、「数百兆のパラメーター」を持つ次世代モデルを実行する能力も備えていると述べています。
今後の展望
マイクロソフトがAIワークロードへの対応をどのように強化していくかについて、今月末にはさらなる情報が発表される予定です。マイクロソフトのCTOであるケビン・スコット氏は、10月27日から29日にサンフランシスコで開催されるTechCrunch Disruptで講演する予定です。