アンドゥリル、AI強化型MRヘルメット「EagleEye」を発表 – パルマー・ラッキー氏がVRの原点に回帰

アンドゥリルが「EagleEye」で戦場に革新をもたらす

シリコンバレーの防衛企業アンドゥリル・インダストリーズは、兵士をAIで強化された戦士へと変革することを目指すヘルメット型コンピューティングシステム「EagleEye」を発表しました。この取り組みは、かつてVRのパイオニア企業Oculusを創業し、後にMetaに買収されたアンドゥリルの共同創業者、パルマー・ラッキー氏が主導しており、彼のVR技術への回帰として注目されています。

「EagleEye」の機能と特徴

アンドゥリルは「EagleEye」を、同社のLatticeソフトウェアを基盤とするモジュラー式の「システムファミリー」と説明しています。このシステムは、指揮統制ツール、センサーフィード、AIを兵士の視界に直接統合します。具体的には、ライブビデオフィードの統合、後方および側方の脅威を警告するセンサー、リアルタイムでのチームメイト追跡機能などを備えています。EagleEyeには、ヘルメット、バイザー、メガネといった複数のバリエーションが存在します。

米陸軍との連携強化と市場の変化

今回の発表は、米陸軍が複合現実(MR)ギアのサプライヤーを拡大しようとしている中で行われました。陸軍はこれまでMicrosoftの統合視覚拡張システム(IVAS)を使用していましたが、長年の課題を経て、今年2月にその契約の管理をアンドゥリルに引き渡しました。さらに9月には、アンドゥリルは兵士向けの新しいMRシステムを試作するための1億5900万ドルの契約を獲得。これは、より広範な「兵士搭載型ミッションコマンド」の一環であり、アンドゥリルは「すべての兵士に超人的な知覚と意思決定能力を装備させる、この種のものとしては最大の取り組み」と述べています。

メタとの再連携とラッキー氏のビジョン

今年初めには、アンドゥリルはMetaとの提携を発表し、軍事向けの拡張現実(XR)デバイスを開発することを明らかにしました。これは、ラッキー氏と彼の元雇用主との予期せぬ再会を意味します。ラッキー氏は自身のブログ投稿で、「再びMetaと協力できることを嬉しく思います。私の使命は長年、戦士をテクノマンサーに変えることでした。Metaと共に構築している製品はまさにそれを実現します」と語っています。EagleEyeの構想はアンドゥリルの最初の事業計画書に登場していましたが、投資家は当初、Latticeのようなソフトウェアに焦点を当てるよう説得していました。しかし、ラッキー氏はX(旧Twitter)で、「今はすべてが違う。世界は準備ができており、アンドゥリルも準備ができています」と述べ、技術の成熟と市場の受容を強調しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/13/andurils-new-eagleeye-mr-helmet-sees-palmer-luckey-return-to-his-vr-roots/