Ouraが9億ドルの巨額資金を調達、評価額は110億ドルに
フィンランドのヘルステック企業Ouraは、Fidelity Management & Research Companyが主導し、新規投資家ICONIQ、既存投資家のWhale RockおよびAtreidesが参加する形で、9億ドル(約1350億円)の新たな資金調達を実施しました。これにより、同社の評価額は「約110億ドル(約1兆6500億円)」となり、前回の資金調達時と比較して倍増しました。
OuraのCEOであるトム・ヘイル氏は、「この新たな資金調達は、Ouraの事業の強さと、何百万人もの会員が日々私たちに寄せる信頼の証です。私たちは単なる製品ではなく、人々が自身の体を理解し、より良いライフスタイルの決定を下し、医療提供者とより効果的につながることを支援する、プロアクティブな健康へのグローバルなムーブメントを構築していることを誇りに思います」と述べています。
急成長を続けるOuraの事業戦略
Ouraは、調達した資金をAIおよび生産革新、新しい健康機能の導入、そしてグローバルな流通の改善に充てる計画です。同社は発売以来550万個以上のスマートリングを販売しており、特に過去1年間でその半分以上を売り上げました。2024年には収益が5億ドルに倍増し、今年は10億ドルを超える見込みです。
IDCのレポートによると、Ouraはスマートリング市場で80%以上のシェアを占めており、その優位性を確立しています。また、同社は多様な顧客層を取り込んでおり、特に20代前半の女性が新たな主要市場となっていると報告されています。
ヘルスケア分野への拡大とデータセキュリティの重要性
Ouraは、単なる健康追跡ハードウェアを超え、ヘルスケアテストの分野にも進出しています。今月、Ouraアプリ内で「Health Panels」という新機能を導入し、ユーザーは米国内のQuest Diagnosticsの2,000か所のラボで99ドルで血液検査を予約できるようになりました。Ouraは医療アドバイスを提供するわけではありませんが、ユーザーはアプリ内でレポートを確認し、AIボットと一般的な提案についてチャットすることができます。
このヘルスケア分野への拡大は、ユーザーの極めて機密性の高い健康データを扱うことを意味します。血液検査の結果や日々の健康データは、個人情報の中でも特に厳重な保護が求められる情報です。Ouraが提供するサービスが拡大するにつれて、これらの個人健康データの収集、保存、処理におけるセキュリティとプライバシー保護の重要性は、これまで以上に高まります。企業は、データ漏洩や不正アクセスからユーザーを守るための強固なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
元記事: https://techcrunch.com/2025/10/14/smart-ring-maker-oura-raises-900m-from-fidelity/