新型MacBook Pro、欧州で充電器同梱せず – 環境保護か、それともコスト削減か?

欧州で充電器が同梱されない新型MacBook Pro

Appleは、M5チップを搭載した新型14インチMacBook Proを欧州市場で販売する際、充電器を同梱しないことを発表しました。この措置は、英国、アイルランド、ドイツ、イタリア、フランス、スペイン、オランダ、ノルウェーなど、欧州の多くの国々に適用されます。

米国およびその他の地域では70W USB-C電源アダプタが引き続き同梱されるのに対し、欧州の消費者は別途充電器を購入する必要があります。ただし、USB-C to MagSafe 3ケーブルは製品に付属します。

Appleの「環境保護」とEU規制

Appleはこの決定を、長年にわたる環境保護への取り組みの一環であると説明しています。さらに、2025年4月から施行される欧州の新しい規制、すなわち消費者が特定のデバイスを充電器なしで購入する選択肢を提供することを義務付ける法律への対応であるとも述べています。

しかし、EUの法律データベースによると、企業は充電器を同梱した製品と同梱しない製品の両方を提供することが可能であり、Appleが完全に同梱を停止したことについては、その意図に疑問の声が上がっています。

消費者の反応と経済的影響

この変更は、欧州の消費者に追加の経済的負担を強いることになります。例えば、英国では70W USB-C電源アダプタが£59で販売されています。一部の欧州諸国では新型MacBook Proの価格が€100安くなっているものの、英国では旧モデルと同価格であり、消費者の間では「環境保護」という名目のコスト削減ではないかとの懐疑的な見方が広がっています。

オンラインのコメントでは、以下のような意見が多数見られます。

  • 「環境のためなら、製品価格から充電器代を差し引くべきだ」
  • 「イヤホンならまだしも、PCの充電器は非常識だ」
  • 「Ankerのようなサードパーティ製充電器メーカーが恩恵を受けるだろう」

透明性と消費者信頼への影響

Appleのこの決定は、企業の透明性消費者からの信頼に影響を与える可能性があります。環境保護という大義名分と、実際の製品提供方法との間に乖離があると感じる消費者が多いためです。規制の解釈と企業戦略のバランスが、今後の消費者エンゲージメントにおいて重要な課題となるでしょう。


元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/15/new-macbook-pro-lacks-charger-in-europe/