X、ユーザープロファイル詳細表示で信頼性向上へ:AIボット対策を強化

導入:AIボットの脅威に対抗するXの新たな試み

AI技術の進化により、人間と見分けがつかないほど巧妙なボットの作成が容易になる中、ソーシャルメディアプラットフォームX(旧Twitter)は、ユーザー間の信頼性向上を目指し、プロファイルに表示される情報を拡充する計画を発表しました。これは、プラットフォーム上での誤情報の拡散や悪意のある活動に対抗するための重要な一歩となります。

新機能の詳細:公開されるプロファイル情報

Xのプロダクト責任者であるニキータ・ビア氏の投稿によると、Xはユーザープロファイルに以下の詳細情報の表示を試験的に開始します。

  • アカウント作成日
  • 所在地
  • ユーザー名変更回数
  • Xサービスの利用状況

これらの情報は、ユーザーがプラットフォーム上で交流する相手の信頼性を判断するための重要な手がかりとなることが期待されています。

信頼性向上への期待:ボットと悪意あるアカウントの識別

この新機能の導入により、ユーザーはアカウントの信憑性についてより情報に基づいた判断を下せるようになります。例えば、プロフィールに記載された居住地と、実際にアカウントが活動している地域が異なる場合、そのアカウントの意図に疑問を抱くきっかけとなるでしょう。また、頻繁なユーザー名変更も、不審な活動の兆候として捉えられる可能性があります。これにより、ユーザーは誤情報や詐欺から自身を守るための判断材料を得ることができます。

プライバシーへの配慮と課題:オプトアウトと悪用リスク

ビア氏は、ユーザーがこれらの情報表示をオプトアウトできることを明言していますが、オプトアウトを選択した場合、その事実がプロファイル上で強調表示される可能性があるとも指摘しています。また、言論の自由が制限される地域における所在地情報の開示については、国ではなく地域に置き換えるなどの配慮が検討されています。しかし、Instagramの同様の機能が示すように、詐欺師やスパマーは常に新たな回避策を見つける可能性があり、この機能が完全に悪意ある活動を排除するわけではないという課題も残ります。

背景と今後の展望:業界全体の動向とXの取り組み

ソーシャルメディアにおける信頼性向上の取り組みは、Xに限ったことではありません。Instagramも「このプロフィールについて」という機能を通じて、アカウントの作成時期や所在地、ユーザー名変更回数などの情報を提供しており、ユーザーがアカウントの信頼性を評価する手助けをしています。Xは、この新機能をまず一部の従業員プロファイルでテストし、フィードバックを収集した上で、より広範な展開を検討する予定です。今回の発表は、Xが最近実施した170万件のボットアカウント削除に続くものであり、プラットフォームの健全性を維持するための継続的な努力を示しています。


元記事: https://techcrunch.com/2025/10/15/x-plans-to-show-more-information-about-user-profiles-to-help-improve-trust/