シカゴの移民局捜査官にボディカメラ装着を命令
イリノイ州北部地区連邦地方裁判所のサラ・L・エリス判事は、シカゴで「オペレーション・ミッドウェイ・ブリッツ」に従事する移民税関執行局(ICE)の捜査官に対し、ボディカメラの装着を義務付ける命令を下しました。この決定は、ICE捜査官による催涙ガス使用や、警告なしの衝突といった報告が相次いだことを受けてのものです。
命令の背景:相次ぐ問題行為
エリス判事の命令は、ICE捜査官がデモ参加者や警察官に対し、警告なしに催涙ガスを使用したとされる報告や、住宅街で意図的に車に衝突したとされる事件を受けて発せられました。これらの行為は、表現の自由や報道の自由に対する弾圧として懸念されており、判事は先週、催涙ガスやペッパースプレーなどの群衆分散戦術の使用を制限する一時的な差し止め命令を出していました。
判事は、自身の命令が遵守されていないことに「深く懸念している」と述べ、ICEシカゴ支局長に対し、月曜日に出廷して説明するよう命じました。CNNの報道によると、判事は司法省の弁護士がビデオレビューに必要な「膨大なリソース」について不満を述べた際、「そうしない簡単な方法があるでしょう?」と厳しく反論したとされています。
ボディカメラ導入の課題と目的
今回の命令は、シカゴがこれまでのICEボディカメラプログラムに含まれていなかったため、その実施には物流上の課題が伴います。政府機関閉鎖の影響で、新しい機器の調達と配布が複雑になる可能性も指摘されています。しかし、ICEは政府閉鎖中も「国家安全保障と公共の安全を維持する」と主張し、移民の逮捕と強制送還を継続しています。
エリス判事の決定は、トランプ政権下の移民取り締まりにおいて、事実上免責されてきたICE捜査官の行動に説明責任をもたらすことを目的としています。捜査官はこれまで、攻撃的な戦術の使用、選出された公職者の逮捕、身元を示すバッジなしでのマスク着用などが繰り返し報告されてきました。
裁判所の強い姿勢と今後の展望
今回の命令は、連邦機関の行動に対する司法の監視を強化し、透明性と説明責任を求める動きとして注目されます。ボディカメラの導入は、捜査官と市民双方の行動を記録し、将来的な紛争解決や不正行為の防止に役立つことが期待されます。しかし、その具体的な運用方法や、政府機関の協力体制が今後の焦点となるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/news/801112/judge-orders-chicago-ice-agents-use-body-cams
