概要:Xがハンドル名マーケットプレイスを導入
X(旧Twitter)が、長期間利用されていないハンドル名(ユーザー名)を対象としたマーケットプレイスの立ち上げを発表しました。これにより、プレミアムサブスクライバーは、これまで利用できなかったハンドル名を検索し、取得をリクエストできるようになります。この動きは、有料サブスクリプションの魅力を高めるための継続的なサービスとして位置づけられています。
ハンドル名のカテゴリと価格設定
マーケットプレイスで提供されるハンドル名は、大きく二つのカテゴリに分けられます。
- プライオリティ・ハンドル:これらは無料で提供され、多くの場合、フルネーム、複数の単語からなるフレーズ、または英数字の組み合わせが含まれます。
- レア・ハンドル:こちらは有料オプションとなり、需要と独自性に応じて2,500ドルから7桁を超える価格が設定される可能性があります。
新しいハンドル名を取得した場合、以前使用していたハンドル名は凍結されます。将来的には、有料アドオンとしてリダイレクトオプションが提供される可能性も示唆されています。しかし、Xのサブスクリプションをダウングレードすると、アカウントは元のユーザー名に戻り、マーケットプレイスで取得したハンドル名は失われることになります。
セキュリティ上の潜在的リスク
この新しいマーケットプレイスは、ユーザーにとって魅力的な機会を提供する一方で、いくつかのセキュリティ上の懸念を引き起こす可能性があります。
- なりすましのリスク:「フルネーム」を含むプライオリティ・ハンドルが無料で提供されることで、悪意のあるアクターが著名人や企業になりすますための手段として利用する可能性があります。これにより、フィッシング詐欺やソーシャルエンジニアリング攻撃のリスクが高まることが懸念されます。
- ハンドル名の占有(サイバースクワッティング):高額な「レア・ハンドル」の存在は、投機的な目的で価値のあるハンドル名を取得し、後に高値で転売しようとする「ハンドル名占有」行為を助長する可能性があります。これは、ブランドや個人にとって不利益をもたらす可能性があります。
- アカウントセキュリティの複雑化:ハンドル名の凍結や、サブスクリプションのダウングレードによるハンドル名の喪失といったメカニズムは、適切に管理されない場合、混乱を招き、悪意のある第三者が以前正当なアカウントに関連付けられていたハンドル名を悪用する機会を生み出す可能性があります。
- アイデンティティの商業化:ハンドル名が商品として価格付けされることで、アカウント乗っ取りのインセンティブが増加し、貴重なハンドル名を取得するための不正行為が誘発される可能性も考えられます。
結論
Xのハンドル名マーケットプレイスは、ユーザー体験の向上と収益化を目指すものですが、その設計には潜在的なセキュリティリスクが伴います。Xは、これらのリスクを軽減し、ユーザーの安全を確保するための強固な対策を講じる必要があります。ユーザー側も、なりすましや不審な活動に対してこれまで以上に警戒を強めることが求められるでしょう。
元記事: https://www.theverge.com/news/802474/x-is-launching-a-marketplace-for-inactive-handles
