Apple、プライバシー侵害で出会い系アプリをApp Storeから削除
Appleは今週、出会い系レビューアプリ「Tea Dating Advice」と「TeaOnHer」をApp Storeから削除しました。これは、コンテンツモデレーションポリシーに違反し、ユーザーのプライバシー保護要件を満たしていなかったためです。両アプリは10月21日に全ての市場で利用できなくなりました。
削除の背景:App Storeガイドライン違反とユーザーの懸念
AppleはTechCrunchに対し、これらのアプリ開発者がモデレーションとユーザープライバシーに関する要件を満たしておらず、App Storeガイドラインの1.2、5.1.2、および5.6に違反していると説明しました。特に、以下の点が問題視されました。
- ガイドライン1.2:アプリは報告およびブロック機能を有し、不適切なコンテンツを削除する必要がある。
- ガイドライン5.1.2:ユーザーの許可なく個人情報を共有することを禁止。
- ガイドライン5.6:過剰な否定的なレビューはAppleのデベロッパー行動規範に違反する。
Appleはまた、「未成年者の個人情報が共有されている」という苦情を含む、「過剰な数のユーザー苦情と否定的なレビュー」を受けていたことを明らかにしました。
アプリの詳細と過去のセキュリティ問題
「Tea」は、女性が交際相手の男性に関する詳細を共有し、「レッドフラッグ(危険信号)」や「グリーンフラッグ(好ましい点)」の評価を提供する目的で設計されたアプリです。2023年にローンチされ、今年に入ってから急速に普及しましたが、その人気がデータ侵害につながる事態も発生していました。「TeaOnHer」は「Tea」の人気を受けて別の開発者によってリリースされたアプリですが、こちらも重大なセキュリティ問題を抱えていました。
Appleはアプリ削除に先立ち、各アプリの開発者に連絡を取りましたが、問題は解決されなかったとのことです。
今後の展望とプラットフォームの責任
現時点では、両アプリはGoogle Playでは引き続き利用可能であり、App Store上では複数の模倣アプリが確認されています。今回のAppleの対応は、ユーザーのプライバシー保護とプラットフォーム上でのコンテンツモデレーションの重要性を改めて浮き彫りにしました。特に、出会い系アプリのような機密性の高い個人情報を扱うサービスにおいては、厳格なセキュリティ対策と適切なモデレーション体制が不可欠であることが示唆されます。
元記事: https://www.macrumors.com/2025/10/22/apple-removes-tea-dating-apps/