Nikeが「神経科学に基づいた」新シューズを発表:科学的根拠は後日公開か

はじめに

スポーツ用品大手のNikeが、アスリートの「心と体」を活性化させると謳う新たなフットウェアを発表しました。この「神経科学に基づいた」シューズは、試合前後のアスリートの脳を刺激することを目的としており、その革新的なデザインが注目を集めています。

「神経科学に基づいた」デザインの全貌

今回発表されたのは、ミュールタイプの「Mind 001」(95ドル)と、レースアップスニーカーの「Mind 002」(145ドル)の2種類です。これらのシューズの最大の特徴は、各ソールに埋め込まれた22個のオレンジ色のフォームノードです。Nikeによると、これらのノードはアスリートが歩く際に「ピストンとジンバル」のように独立して上下に動き、地面を歩く感覚を模倣します。これにより、足が刺激され、脳の感覚領域が活性化されることが「科学的に示されている」とNikeは主張しています。

科学的根拠と透明性への疑問

しかし、Nikeは現時点では、Mind 001と002がアスリートの集中力向上にどのように役立つかを示す科学的証拠を公開していません。The Vergeの取材に対し、Nikeの広報担当者であるジェイ・パーヴォンペラ氏は、関連するホワイトペーパーが「数週間以内」に公開される予定であると述べました。同氏によれば、これらのシューズのデザインは「数百人のアスリートと数千時間にわたるテスト」に基づいており、Nike Sport Research Lab内のMind Scienceチームが「世界でも数少ないモバイル脳・身体イメージングラボの一つ」を活用して開発されたとのことです。

Mind Scienceの主任研究員であるグレアム・モファット氏は、着用者が各ノードを個別に知覚できるよう、ノード間の配置に工夫が凝らされていると説明しています。かかと部分ではノードが離れて配置され、足の付け根部分ではより密接に配置されているのはそのためです。

Nikeの新たな挑戦と市場への影響

Nikeのイノベーションおよびクリエイティブディレクターであるエリック・アヴァール氏は、「Nike Mindは、足、身体、そして心を再覚醒させる新しい感覚フットウェアのコンセプトです」と述べています。長年にわたりクッション性を重視したシューズを開発してきたNikeですが、Vibram FiveFingersやCrocsのようなミニマリストスタイルのシューズとの競争に対応し、Nike Freeなどの製品も投入してきました。今回の「Mind」シリーズは、その流れを汲む新たな挑戦と言えるでしょう。

Mind 001(グレーとレッド)とMind 002(グレーのみ)は、Nike Mindのウェブサイトで「プレゲーム」シューズとして位置づけられており、2026年1月に発売される予定です。


元記事: https://www.theverge.com/news/806259/nike-mind-neuroscience-footwear-foam-nodes