Google、AIによる「Vibe Coding」で誰もがゲーム開発者に?セキュリティへの影響も

Googleが提唱する「Vibe Coding」とは

Google AI Studioのプロダクトリードが、年内には誰もが「Vibe Coding」でビデオゲームを開発できるようになると示唆し、大きな注目を集めています。Vibe Codingは生成AIの主要なセールスポイントの一つですが、その実用性については過大評価されている側面もあります。

現在、Vibe Codingで優れたウェブアプリやモバイルアプリを作成することは可能ですが、インフラの構築、データベースの設定、APIの統合、サービスの連携といった作業は、依然として人間の介入なしには困難であり、本番環境での利用には課題が残ります。しかし、Google AI Studioの最近のアップデートは、「AI Studioは必要な機能を理解し、適切なモデルとAPIを自動的に連携させる」ことで、本格的なVibe Coding体験を約束しています。

ゲーム開発の民主化と新たな開発者層

Googleは、Vibe Codingの適用範囲をウェブアプリやモバイルアプリに留めるつもりはないようです。Google AI Studioのプロダクトリードであるローガン・キルパトリック氏はXへの投稿で、年内には誰もがVibe Codingでゲームを開発できるようになると明言しました。

キルパトリック氏は、開発されるゲームの品質については言及していませんが、「Civilization」のような本格的なゲームではなく、基本的なゲームであればVibe Codingで作成可能になると示唆しています。彼は、「これにより、次の1億人の『開発者』が容易に誕生するだろう。多くの人々がゲーム制作に興奮するが、C/C#/C++に直面して楽しくないと感じてしまう」と述べ、複雑なプログラミング言語の障壁を取り除くことで、より多くの人々がゲーム開発に参入できる未来を描いています。

「Vibe Coding」がもたらすセキュリティ上の懸念

AIによるコード生成は開発の敷居を下げ、生産性を向上させる一方で、セキュリティ上の新たな課題も提起します。AIが自動でコードを生成する際、意図しない脆弱性が混入するリスクや、悪意のあるコードが生成・実行される可能性も考慮する必要があります。

関連ニュースとして、AIスタートアップのCursorが開発中の次世代Vibe Codingツール「Cursor AI 2.0」については詳細が不明ですが、過去には「Cursor AIエディタがリポジトリを『自動実行』し、デバイス上で悪意のあるコードを実行する可能性がある」といった懸念も報じられています。Vibe Codingが普及するにつれて、生成されるコードの品質保証やセキュリティ監査の重要性が増すことは間違いありません。

その他の注目すべきセキュリティニュース

  • Googleは、AIの脆弱性に対する新たなバグ報奨金プログラムを開始し、最大30,000ドルの報奨金を支払うことを発表しました。
  • Google Driveのデスクトップ版に、AIを活用したランサムウェア検出機能が追加され、ユーザーのデータを保護する取り組みが進められています。
  • Picus Blue Report 2025によると、パスワードクラッキングの発生率が前年の25%から46%へとほぼ倍増しており、サイバーセキュリティ対策の強化が引き続き求められています。

元記事: https://www.bleepingcomputer.com/news/google/google-says-everyone-will-be-able-to-vibe-code-video-games/