導入
Netflixの最高技術責任者(CTO)エリザベス・ストーン氏は、TechCrunch Disrupt 2025カンファレンスで、同社が新しいコンテンツタイプを実験する手段として垂直動画に注目していることを明らかにしました。Netflixは、モバイルプラットフォームの可能性をさらに活用することを目指しています。
TikTokとの差別化戦略
ストーンCTOは、NetflixがTikTokのようなショートフォーム動画アプリと直接競合する意図はないと強調しました。消費者がテレビ番組、映画、ゲームといったNetflixの主要コンテンツを求めている時もあれば、「より手軽な(snackable)もの」を求めている時もあると指摘。このような状況に対応するため、Netflixは「より幅広い種類のコンテンツ」を提供する必要があると述べました。
新しいコンテンツ形式と機能
Netflixは現在、モバイルデバイス向けに垂直動画フィードをテストしており、これは「モバイルのあり方を再構築し、今日の消費者がモバイルをどのように利用しているかに対応するもの」と説明されています。このフィードは、オリジナルタイトルのクリップをスクロールして視聴できるもので、ユーザーに番組や映画の視聴を促すことを目的としています。
さらに、ストーンCTOは、ユーザーがお気に入りのシーンをクリップして共有できるアプリ内機能「Moments」にも言及しました。このショートフォーム体験は、コンテンツとの「ソーシャルなつながり」を可能にするものであり、垂直動画フィードへの統合の可能性も示唆されました。同氏は、「異なる種類のコンテンツ」や「コンテンツをクリップして共有する異なる方法」を実験していくと述べました。
ポッドキャストとの連携
Netflixは最近、Spotifyとの提携を通じてポッドキャストの配信を開始しており、これも新たな実験の対象となります。ストーンCTOは、「垂直動画のような新しいキャンバスを活用し、ポッドキャストを含む新しいコンテンツタイプを実験していく」と語りました。一部のポッドキャストコンテンツはNetflixとSpotifyで共同独占的に提供され、モバイルとテレビの両方で展開される予定です。
今後の展望
これらの実験は、今後数四半期から2026年にかけて順次展開される見込みです。Netflixは、あらゆる瞬間に「あらゆるもの」を提供しようとするのではなく、メンバーにとって特に価値のある「真実の瞬間」に焦点を当てる戦略を堅持していくとしています。
